しし座
変化を味わう
変わる変わるよ私は変わる
今週のしし座は、「今年酒今年の音に注がれけり」(川名将義)という句のごとし。あるいは、時の移ろいとともに、いつの間にか自分の心の在り様も変わってきたことに、改めて気が付いていくような星回り。
「今年酒」とは今年出来たばかりの新酒のこと。秋の季語なのでまだ早いですが、盃に注ぐと今年ならではの音がするという作者の感慨は、まさに今週のしし座にうってつけのものと言えるでしょう。
しし座の人たちというのはあまり変化を好まないところがあって、時には状況の変化へ適応することを自身の弱さと受け取ってしまうこともあります。なのでまず言っておきたいのは、心変わりしたからといって自分を責めないでくださいということ。
1年たてばあたりの景色もすっかり様変わりするものですし、人の心も変わっていきます。そして人の心が変わるからこそ、酒の音も違って聞こえてくる。これはすべて自然なことなのです。
むしろ掲句の作者のように、その時々の仕方で小気味いい音が天に響くのを無心で楽しめばいい。
今週はそうして移ろいゆく自分の心音をじっくりと味わっていきましょう。
ボブ・ディランの歌から
ボブ・ディランの「The Times They Are A-Changin(時代は変わる)」の冒頭の歌詞は、今週のしし座をおおいに後押ししてくれるでしょう。
「仲間を求めるがよい/どこにいようとも/君の周りでは/流れが渦巻いてるのだから/気をつけろ/でないと溺れるぞ
もし君に/未来があるなら/ちゃんと泳ぐんだ/沈んでしまわないように/時代は動いていくのだから」
そう、時代は変わるし、私も変わる。その変わる瞬間に音が鳴り、盃はかわされる。そうして過去を飛び越えていくことで、人生においてひとつの時代を更新していくのです。先の曲の歌詞の最後のフレーズは次のよう続きます。
「ラインが引かれると/呪いが放たれる/足の遅いやつだって/早くなることもある
今新しいことも/明日には古くなる/秩序だって/混沌に変わる
正義だって/悪徳になる/時代は動いていくのだから」
つねに動き続ける時代とともにあるために。今週のしし座のテーマは、どこかで人間が発揮しうる「フェミニンな強さ」の極致に触れていくことの内にあるように思います。
今週のキーワード
酒と歌と男と女