ふたご座
架空の故郷に思いを馳せよ
絵空事にたましい宿る
今週のふたご座は、ギターをひっさげ観客とともに歌うジョン・デンバーのごとし。
『耳をすませば』の挿入歌として有名な「カントリーロード」ですが、もともとは1971年にシンガーソングライターのジョン・デンバーが「Take Me Home, Country Roads(故郷に帰りたい)」としてリリースしたものが原曲でした。ここで興味深いのは、「天国のよう」と歌われる自然美しい「ウエストバージニア」は実はジョンの故郷ではなく、それどころか曲を作った当時一度も行ったことがなかったという点。つまりまったくの想像で架空の故郷に思いを馳せ、それを歌にしていたわけです。
それでもジョンの歌は、多くの人たちの共感を呼び、海を越えて長年愛されてきました。
今週のふたご座も、そんな自分も周りも楽しくなって和気あいあいとしてくるような絵空事を、創りだしたくなってくるでしょう。
グルーヴにのってどこまでも
「カントリーロード」然り、往々にして、絵空事にこそたましいは宿るもの。ただしそこで一つ大事なことは、そうした絵空事は必ず自らの手足を通して創られる、ということ。
思えば、Youtubeでも視聴できるよう形を整えられ、あるいはスタジオで収録されるようになる以前の歌には、例えば労作歌(ろうさくうた)のような日常的な労働や共同作業と結びついて歌われた、よりプリミティブな段階があり、そこで人々は、歌のグルーヴに呼吸をあわせ、また呼吸にあわせて身体を揺さぶることで、自然や風物とより深く一体化し、天然の酩酊状態に入っていました。
どんな環境であれ、その中でよりよく生きられるグルーヴは必ずあり、身体は無意識にそのうねりや流れを模索しています。
身体を通して喜びを共有していく感覚を大切にしていきましょう。
今週のキーワード
ジョン・デンバー「カントリーロード」、歌のプリミティブな段階、天然の酩酊状態、手足を動かしグルーヴに乗って和気あいあい