ふたご座
夢から醒めて、物語がはじまる
卵が割れるように
今週のふたご座は、「西瓜太郎踊り出でよと割りてけり」(沼波けい音)という句のごとし。あるいは、新たな戦いの物語が今にも生まれては始まっていくような星回り。
鬼ヶ島で鬼を退治した桃太郎は桃から生まれました。ならば、西瓜(すいか)からは西瓜太郎が生まれてくるはず。しかも桃より大きい西瓜は、割れば真っ赤でより力強く、それに虎の毛皮のような皮だって付いていて、ずっと強そうです。
あるいは、西瓜から生まれる西瓜太郎とは、後に鬼ヶ島で桃太郎を待ち構えることになる赤鬼の別名だったのかもしれません。
何も、桃太郎だけが物語の主役ではないのです。猿には猿の、キジにはキジの、犬には犬の物語があり、またお爺さんやお婆さんにもそれぞれに彼らなりのストーリーを持っている。
ただ、物語の始まりには何らかの欠損や喪失がつきものであり、今のあなたはそうした欠損や喪失を何らかの形で経験していっているのだと言えるのではないでしょうか。
引き離されたり失われたものを、いかにして取り戻し別のかたちで満たしていけるか。そういう物語を、あなたはいま新たに引き受けつつあるのかもしれません。
偶像破壊
ブッダならば今のあなたにこう言うでしょう、「犀の角のようにただひとり、歩み続けなさい」と。
これは誰かが指示した通りに道をゆくことに執着しないように、という忠告とも受け取れます。つまり、実際には仲間はいてもいいのです。ただ、実際に道を歩くことができるのは自分だけなのだ、ということは忘れてはいけないということです。
実は、今週のふたご座には裏テーマがあって、それは「偶像破壊」なんです。ゆがんだ思い込みや誤った信仰は誰しもが抱えているものですが、それも必ずいつかは終わるもの。必要のない関係性はここで断ち切っておきましょう。
すっかり目覚めて、ふたたび自分の足で歩き始めた後は、あなたはより一層無邪気になっている自分に気が付くはずです。
今週のキーワード
犀の角のように