ふたご座
代えのきかない存在としての自分を感じる
たましいの在り処
今週のふたご座は、「かたつむりたましひ星にもらひけり」(成瀬櫻桃子)という句のごとし。すなわち、自分の中に宿っていた微かな「たましひ」がぼおっと灯ってくるような星回り。
「蝸牛(かたつむり)」は、そのどこか愛嬌のある姿かたちで日本人に親しまれてきましたが、一方でノロマなその歩みから揶揄などの対象にもなりやすい存在であり、実際その目も明暗をかすかに判別できる程度です。
ただ、そんなかたつむりも、掲句のように読まれてしまうと、たちまちそこに透明な美しさのようなものが感じられてくるから不思議だ。
要は、人が人を判断する物差しというのはひどく表層的で、相対的なものであって、本当の美しさというものはそういう物差しとはまったく別のところに、静かに大切に宿っているのだと言うことでしょう。
そういうことを教えてくれている句だと言えますし、今週のあなたは、まさにそういうことを自分自身の身において実感していこうとしているのかもしれません。
変わるものと変わらないもの
たとえ取り組む仕事や、関わる世界、付き合う人間、あるいは記憶そのものが変わってしまったとしても、あなたが生きて前を向いて歩んでいる限り、その歩みの中に魂は宿り続けるでしょう。
神林長平さんのSF小説『アンブロークン 戦闘妖精・雪風』の冒頭に、
「すべては変わりゆく/だが恐れるな、友よ/何も失われていない」
という言葉が掲げられていますが、これは今のあなたにもってこいのメッセージに感じることでしょう。
今週のキーワード
一寸の虫にも五分の魂