ふたご座
非連続的な生を生きる
こちらは9月13日週の占いです。9月20日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
何かが変わった?!
今週のふたご座は、ウィトゲンシュタインが「アスペクト(相貌、表情)の変化」と呼んだ現象のごとし。あるいは、ある意味では以前と同じなのに、ある意味で変化している何かに気が付いていくような星回り。
周囲のものの非現実性の感覚。私は一度この感覚に襲われたことがある。そして、多くの人はこの感覚を、精神的な病が発症する前に感じる。すべてがなんとなく現実でないように感じられるのだ。しかしそれは、不明瞭に見える―あるいは、ぼやけて見える―といった感じではない。すべてはいつもと全く同様に見えるのである。(『心理学の哲学―1』)
ここで言われている「周囲のものの非現実性の感覚」とは、さながら『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』で、のび太たちがタイムマシンで妖怪にすっかり支配されパラレルワールドと化した現在世界に戻ってきた時のような、よそよそしい異物感にも似ていますが、にも関わらずのび太のママはあくまでママであることには変わりないのです。
タイムマシンに乗って7世紀という過去から現在に戻ってくる前と後では、確かに外見的な姿かたちは変わらないものの(実際には中身は妖怪にすり替わっている)、ただその「アスペクト(相貌、表情)」は微妙に変わった、と哲学者のウィトゲンシュタインは表現してみせた訳です。
14日にふたご座から数えて「対象認識」を意味する7番目のいて座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、そうしたある種のゲシュタルト崩壊としての「アスペクト変化」を察知していくことになるかも知れません。
緊張と弛緩を織り交ぜる
しばらく解答の分からないウズウズしていた状態から、「ああ、そうか!」というひらめきの快感と弛緩が訪れることを「アハ体験」と言います。
よく知られた実験では、自分の頭の中に腫瘍があるとして、それを取り除く方法について思いついたことをすべて口に出し続けてもらう、ということをします。そして発言に対してその都度、「それだとこういうリスクがあるのでは?」と切り返して、真剣に考えてもらう。要はウズウズ状態を作り出す訳ですね。
すると、多くの被験者において、論理を飛躍して突然、「外からレーザーを一点に集中させて取り除く」といった突飛な結論(それでいて現在の最先端の医療技術の発想と重なるもの)を思いつくことがあるのだそうです。大抵はなぜそんな結論が出てきたのかは分からない。けれどひらめきとは、そうした通常の思考の流れを一足飛びに超えるところからしか生まれてこないものものです。
今週のふたご座もまた、ウズウズできそうな問題やきっかけがやってきたら、積極的にそこにハマり込んでみるといいでしょう。
ふたご座の今週のキーワード
思考を一足飛びに超えること