ふたご座
増やすと耕す
こちらは8月16日週の占いです。8月23日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
大らかな海
今週のふたご座は、漁師の仕事のリズムのごとし。あるいは、仕事を通して何を、どんな思いを増やしていきたいのかを、改めて考え、動いていこうとするような星回り。
漁師の仕事は体力的にキツいものですが、中でももずくの養殖は最もキツい部類に入るそうで、朝七時には海に飛び込んで、長い時はお昼休みも取らずに、夕方の四時、五時まで一度も船に上がらないこともあるのだとか。
とはいえ、自然が相手の仕事ですから、つねにそういうスケジュールということはなくて、集中的に仕事をする時と、「風が吹いてるな」とか「時化てるからあぶない」と判断した時は、ゆっくりできるという意味ではメリハリがありますし、夫婦ふたりの時間だったり、やりたいことについて考えたり話したり動いたりする時間があるという点ではとても恵まれているのだとも言えます。
そういうリズムで仕事をしていると、自然と資源を「獲る」のではなくて、「増やす」ことに意識が向いて、海岸をなるべく自然の状態に維持するべく、サンゴを植えたり、子供たちに関心を持ってもらう体験学習の催しを企画したり、NPOを立ち上げたりといった活動にも繋がっていく。そこでは、そういう風に見られたいからやるというのではなくて、純粋にやりたいからやっているというところから仕事が回っていく訳です。
16日にふたご座から数えて「労働」を意味する6番目のさそり座で上弦の月を迎えていくあなたもまた、文明と自然のはざまで自分の生活リズムを整えていくべし。
柔らかな大地
「カルチャー(文化)」の語源が「耕す」を意味するラテン語「colore」に由来するように、仕事を通して思いを増やすにも、それを可能にする柔らかな大地がなければなりません。江戸時代の俳人・与謝蕪村(よさぶそん)は、ちょうどそんな光景を次のような俳句にしてくれています。
「畑うつや うごかぬ雲も なくなりぬ」
田を返し、土をいじっているうちに、さっきまで垂れこめていた暗雲がいつの間にかなくなってしまった。ただそれだけのことなのですが、蕪村はこの句を再興した芭蕉庵で句会を開いた日に詠んだのだそうです。句を詠むことを通じて芭蕉の精神を汲んでいく行為は、蕪村にとって心を耕す畑仕事であり、固くなりがちな土(こころやからだ)を柔らかくする秘訣でもあったのではないかと思います。
逆に、心が長らく耕されないでいると、人間どんどんトゲトゲしくなるもの。同様に、今週のふたご座は、黙々と好きな作業に没頭する時間だったり、自身のケアに当てる時間もきちんと確保しつつ、生活の土台を柔らかなものにしていきたいところです。
ふたご座の今週のキーワード
純粋にやりたいと思う事をやっていく