ふたご座
砂と未来
迷信を超えて
今週のふたご座は、「完全失業」の夢を見る労働者のごとし。すなわち、「ハイパースティション(hypersutition)」としての未来像を思い描き、自分なりに提示していこうとするような星回り。
「ハイパースティション」とは、「スーパースティション(迷信)」を元にして近年主にポスト資本主義を構想する一群の人たちによって使われ始めた造語であり、それ自体はフィクションの一種でありながらも、真理へと自身を変容させることを目論んでいる生きた触媒のごとき夢想を意味します。
例えば、「働かざる者食うべからず」といった労働倫理は、労働市場で優位に立つことができず、経済に寄与する力が少ないかほとんどない者たちを金食い虫として社会から切り捨てたり、ただでものを手に入れたと見なされる人々へサディスティックな処罰を下すことさえ肯定しかねないという点で、今やこれ以上無視することができなくなりつつある社会の歪みの根底にあるものと言えます。
その意味で、25日(土)にふたご座から数えて「探究」を意味する9番目のみずがめ座で新月を迎えていく今週は、個人的な“キャリアプラン”を超えたところで未来に撒いていくべきアイデアの種子をどれだけ突き詰めて想像していけるかが問われていくことになるでしょう。
どうしたら労働者にクソ仕事を蔓延させつつ、その上がりをますます還元しなくなってきた資本主義社会から自分たちの未来を取り戻せるか。
大いに考え、あるいは議論し、想像を広げていきたいところです。
砂遊びとしての生
「人生もまた一輪の花のようにはかないものであるならば、友よ、砂の上にぼくらの家を建てて、遊ぼう」
子どもがそんなことをいちいち言語化して考えたり、会話している訳ではないでしょうが、実際に子供の頃に必死に砂場や砂浜で大きなヤマをつくったり、トンネルを掘って、そこから向こう側をのぞいたりしていたのも、ある種の「スーパースティション」つまり未来への生きた触媒を形づくる練習だったのかも知れません。
そうだとするなら、私たちは一体いつからそうした“遊び”に興じるのをやめてしまい、その代わりに‟労働”にいそしむようになってしまったのでしょうか。
今週は、「砂の城」としての現実のはかなさを感じるだけにとどまらず、現実を生きることはある種の「砂遊び」であり、私たちにその機会を与えてくれる人生という舞台や、それを演出してくれる大いなる存在の豊かさへと目を向けていくことになるでしょう。
今週のキーワード
「クソ仕事」撲滅運動