ふたご座
自然な循環を取り戻す
一人のために
今週のふたご座は、マザー・テレサの仕事のごとし。あるいは、本心から「あなたを必要とします」と言っていくような星回り。
マザー・テレサはあまりに有名になりすぎて、さまざまな毀誉褒貶に晒されていますが、改めて彼女のやった仕事の本質を振り返ってみると、それはただ瀕死の状態にある人の最期を看取ることであり、彼女自身もしばしば「一人の人のため」ということを強調していたことが思い出されてきます。
一方で、現代人が好きなのは「多数の人」であり、一人の人の死に関わっているよりも、できるだけ多くの人に認知されたり、「社会」を変えることの方が大切だし、価値があると考えられています。
けれど、本当にそうでしょうか。現代人は、目に見えない多数のために働くという口実のもと、目に見える目の前の人間のために何かするのを避けてしまっているようにも思います。
今週は26日(木)にふたご座から数えて8番目の位置関係にあるやぎ座で日食新月が起きますが、8番目には「誰になら命を託せるか?」「本当に信用できるのは誰か?」というテーマがあります。
その意味で、今のあなたもまたマザー・テレサのような、常識的には最も非効率的に思える行為にこそ大きなヒントが隠れていそうです。
マタギの儀式
非効率的な行為をする者として、他にも例えば、古いやり方での狩猟を専門とする「マタギ」の存在が挙げられるでしょう。
彼らは基本的に「山は山神様が支配するところであり、クマは山神様からの授かり物」であると信じており、獲物を授かるための儀式を大切にします。
中でも、特に大切にされているのは「ケボカイの儀式」というもので、これは射ち獲ったクマの頭を北に向け、左の足を下にして仰向けにし、次に塩をふって唱え言葉を三度繰り返すという神事であり、これもまた先の「あなたを必要とします」という言葉を体現したものと言えます。
ひるがえって、普段私たちは殺された牛や豚、鶏、魚たちをスーパーで買って食べていのちを繋いでいる訳ですが、それは「日々殺しを買っている」のと同じこと。しかし、それを果たして意識している人はほとんどいないでしょう。
普段忘れてしまっていますが、私たちはみな殺戮者の子孫であり、すべての人には自然やこの世界に育ててもらった「借り」があり、「義務」という概念の根本にはそうした事実があるのだということを思い出してほしいのです。
今週のあなたもまた、自分の欲望が自然なギブ&テイクの循環サイクルにおいてどれくらい適切なものなのか、一度常識を離れて考え直してみるといいかも知れません。
今週のキーワード
欲望を整える