ふたご座
時にやさしく、時にはげしく
風となる者
今週のふたご座は、人と人との間を吹き抜けていく「風」のごとし。あるいは、あなたを無化させようとする圧力に対して、大胆にNOを突きつけていくような星回り。
稲垣足穂はある日の日記に
「花を愛するのに植物学は不要である。昆虫に対してもその通り。天体にあってはいっそうその通りではなかろうか?」
と書き付けました。
実際、花を愛でるにしろ星を眺めるにしろ、文化というものに対する私的な所有欲やそれに基づく階級意識ほど、図らずも人として品性のなさを醸し出してしまうものはないのではないでしょうか。
逆に、目に見えず、また簡単には言語化されない叡智であるほど、そうした所有欲や階級意識を内に抱いている限り見つけ出せなくなっていきます。
そしてふたご座の人たちにとって、そうした吹き抜けていく風のようにつかまえがたい叡智を、自身も翼を生やして追いかけては交わり、人と人とのあいだに改めて吹き込んでいくことこそ、本質的なテーマになっているように思います。
今週は、そんな物事を純粋に楽しむ軽やかさと、頑として自身を硬直化させない激しさとを同時に生きていきたいものです。
思いつきはどこに属すか?
天才の仕事や、心を撃ち抜かれるような作品の中に、かつて自分に去来したアイデアの影を何度も見たり、憧れの人物に自分と似た過去や背景があることを何度も見聞きしていくと、たとえ世界中から反論されても、最終的には自分の内側から生じた考えに従うべきだということを次第に痛感していきます。
そしてその一方で、頭の中で誰かがこう言うのです。「その先にあるのは、地獄に決まってる!」と。
けれど、例えそうだとしても、何かを「思いつく」ということは、それ自体が運命に選ばれた印だったのだと、あなたはどこかで思い直すのでなければなりません。
つまり、「思いつき」は本質的に自分に属すのではなく、天からの賜物であり、あなたがそれを捨ててしまえばまた別の誰かの元へ翼を広げて訪れるだけのことなのだと。
それゆえ、人と人との間を吹き抜けていく「風」たらんとする者に必要とされる最大の資質は、そうして吹き抜けたいという思いつきを預かる幸運に恵まれるか否か。
今週は改めて、自分の元に訪れた思いつきを見つめ直していくことになるでしょう。
今週のキーワード
みんな悲しくなろうよ