やぎ座
父性の体現
「大人になる」とは自分に厳しくあれること
今週のやぎ座は、「思惟すでに失せ渺渺と額の雪」(深谷雄大)という句のごとし。あるいは、厳しさがもたらす豊かさを本能的に感知していくような星回り。
「大人になる」とか「身を固める」ということは、自分の考えを押し殺してでも社会に溶け込み、体裁を整えるということではありません。
むしろ、周囲の人たちの考えや存在そのものを殺さず活かせるように守るべきマナーを守り、伝えていくべきことはきちんと伝えていくということであって、それを身をもって体現していくことが父性愛というもののひとつの定義と言えます。
掲句では、渺渺(びょうびょう)と吹き寄せる雪が人間を圧倒しているさまが詠まれています。
こういう句を読んでいると、人は敬意の入り混じった畏れを抱くものを前にしたとき、自己防衛のための文句などは、自然と出なくなるものだということが自然と思い起こされます。
今週はそんな「雄大な雪の自然」となったつもりで、やるべきことを行い、言うべきことを伝えていってください。
理屈を超えて伝わってしまうもの
人は誰かに理屈をこえた勢いを感じ、圧倒されたとき、相手の姿をまるで後光がさしているように感じるものです。
今週のあなたは、これまで積み上げてきた経験や受け取った知識を、これでもかと人に見せつけるていくことになるかもしれないですね。
ただしそれは「ひけらかし」ではなく、しっかりとした美学や流儀に裏打ちされた、人の心の奥底に届くような「渾身のパフォーマンス」である必要があります。
今週は、くれぐれも「誇り」というものをはき違えないようにしたいところです。
今週のやぎ座へのキーワード
渺渺