やぎ座
自分を見出す
わが身で遊ぶ
今週のやぎ座は、「中年や独語おどろく冬の坂」(西東三鬼)という句のごとし。あるいは、自分の背中を見つめるもうひとりの自分に視点を開きつつも、あくまでわが身で遊んでいるような星回り。
「中年」というのは年齢としてはだいたい40歳くらいから使われ始める言葉ですね。しかしもう少し広義に解釈すれば、人生の坂道にのしんどさと不安さとに、ひとり直面していく時期という風にも受け取れます。
そういう意味では、やぎ座のあなたもまた今そんな坂道のまっただ中にいるのではないでしょうか。もう青年のように何も考えない自分では登っていけない。どこかに巣くった将来への不安が、自分でも気が付かないうちに口から洩れていく。
掲句はそんな人生の一場面を、作者なりの実感を込めて切り取ったものでしょう。
「独語」している自分にはっと驚くという行為は、「中年男」としての自分を発見しつつそこから離れていくきっかけにもなります。一方で、そこであえて「中年男」としての自分を楽しんでいくことで余裕をつくり出す契機にもなり得ます。
今週は後者の道を選んでいくことで、少しずつ人生の上り坂を上りきるだけの活力を取り戻していくことができるでしょう。
わが身の底力を知る
誰かにそばにいて支えて欲しいと願うのは、人間にとってごく当たり前の要求のように思えます。
けれどもしかしたらあなたの体には、もともと自給自足するためのエネルギーや自信の源が蓄えられていたのかもしれません。
それは誰かに支えてもらうことを前提として体を使っている内は、ほとんど使われることのなかった力の源泉です。今週はそんな泉から潤いを汲むようになるにつれ、これまでとは異なる力強さをわが身の中に見出していくはず。
今週のキーワード
ラクダ