やぎ座
宇宙を介したつながりに支えられてこそ
楽しむことが最優先
今週のやぎ座は、真の意味での仕事の完成へ。あるいは、愉しみこそが活動を増進させうるということを、理屈を超えたところで改めて確信していくような星回り。
アリストテレスと言えば、今日の科学やテクノロジーを生み出した西洋文明の根幹を支える哲学的な基礎付けを行った人物として、しばしばそのいかにも学者然とした生真面目さの象徴としての位置づけが与えられてきましたが、いま改めて読み直してみるとかえって新鮮な発見が少なくありません。
例えば、『ニコマコス倫理学』において<愉しみ>について述べている箇所―愉しみ(快楽)とは何か―などは、伏せていた身を再び起こさんとしている今のあなたにとって重要な指針となるように思います。
アリストテレスは「生きるとは活動であり、各人はそのもっとも好む事柄に対して、もっとも好む能力を働かせて活動する。これらの活動の愉しみが活動を完成させ、各人の追求する生を完成させるのだ」と言い切った上で、次のようにも言います。
愉しみを感じつつ活動する人の方が何事についてもその事柄をよりよく判断し、より正確に成就することができる。音楽家であれ建築家であれ、各自の仕事に悦びを感じつつやっていればこそ、仕事についての進歩もあるのだ、と。これは逆に言えば、<愉しみ>を欠いている限り、どんな分野であれ、その仕事は永遠に完成しないということになります。
2月24日にやぎ座から数えて「神託」を意味する9番目のおとめ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、たとえ普通に見れば悲劇的で、笑える状況ではなかったとしても、どうしたら少しでもその状況を楽しめるのかを最優先に考えていきたいところです。
類は友を呼ぶ
アマチュア無線を趣味にしている友人に、以前その魅力について聞いたことがありました。
曰く、無線通信の本質は、やはり「話すこと、誰かとつながることの純粋な楽しさ」にあるのだそうです。そして無線から聞こえる遠くの誰かの声にじっと耳を傾けることで、自分の内側がスッと広がっていくような感覚がしてくるのだと。
そうして耳を澄ませていると、次第に無線の相手が「何を」語っているのかではなくて、「どのように」語っているのか、その微妙なムードや調べに注意がいくのだとか。これは無線通信に限らず、おそらく何かを楽しむということの本質というのは、「何を」しているかではなく、「どのように」その対象と向きあえているかということに大いに依っているのではないでしょうか。
また、宇宙を介することで「類は友を呼ぶ」ことをより実感する形で、自分の出しているそうした微妙な周波数に気付いていけるということも、無線通信の醍醐味であり、やはり「どのように」という話と繋がってくるように思います。
その意味で今週のやぎ座もまた、うまく行けば、どんな形であれ友や彼らとの交友こそが、真の意味での仕事の完成にとって、必要不可欠なピースなのだということを改めて感じていくことができるかも知れません。
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