やぎ座
大きなリズムと小さなリズム
こちらは7月19日週の占いです。7月26日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
調律道具としての箱眼鏡
今週のやぎ座は、「もりあがる海に押しつけ箱眼鏡」(光部美千代)という句のごとし。あるいは、波打つムーブメントをどうにか自分の腑に落としていこうとするような星回り。
「箱眼鏡」は水面上から水中を透視できるように箱の底にガラスやレンズを取りつけたもので、漁師はこれで海中をのぞいて魚や貝などをねらいます。
掲句は、漁師の道具の使い方を的確にとらえており、海が単に波打つだけでなく時どき「もりあがる」瞬間があって、そのタイミングで箱眼鏡を押しつけているのです。
いわば、一句の中で大自然である海と人の力が拮抗している訳ですが、シンボリズムの世界では海は集合的無意識の象徴であり、それを踏まえれば、「箱眼鏡」はそれが盛り上がった瞬間を捉えるインターフェイスであり、個人的なリアリティへと落とし込むための物語化のための装置といったところでしょうか。
ある意味で、海にのまれたり、流されたり、溺れてしまうのではなく、その奥底にある自分なりの獲物をどう捕まえていけるかどうかが試されるのが「箱眼鏡」という道具の面白さなのかも知れません。
24日にやぎ座から数えて「生の実感」を意味する2番目のみずがめ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、社会や時代の波を無視するのでも過剰に適応するのでもなく、自分なりの仕方でその本質を捉えていくべし。
リズムを合わせる
古来から人は、太陽が昇り沈んでいくリズムで活動し、また月の満ち欠けに生命の神秘を感じて生き死にを繰り返してきました。
太陽の運行に基いて一定の時間に眠り、一定の時間に自然に目が覚める「サーカディアンリズム」や、身体の生理や感情の浮き沈みやお産などとも関係してくる月のサイクルは、そうしてすっかり私たちのDNAに刻み込まれているだけに、それらへの同調がいったん大きく崩れてしまえば、生命としての本能や天との結びつきも壊れてしまいます。
だからこそ、かつて人々は何をやってもうまくいかない「呪い状態」から復活する際には、必ず日月いずれかのリズムにのって自分たち本来の姿を見出してきたのです。
ある意味で、あらゆるリズムが崩れて不協和音がなり続けている現代社会は、社会全体が呪いの状態にあるのだとも言えます。
そんなことを踏まえた上で、今週はできるだけ家事や労働を通じて、人生に神聖さの感覚を取り戻していきましょう。それが今あなたにとって一番大切なことです。
やぎ座の今週のキーワード
自分が少しでも生き生きとできる自然のリズムやサイクルを見つけていくこと