やぎ座
得体の知れない自分がここに
「ふつうの大人」ならそんなことはしません
今週のやぎ座は、「夜の子の明日の水着を着てあるく」(森賀まり)という句のごとし。あるいは、みずからをどこかで不思議な生きもののように感じていくような星回り。
普通に読めば、明日プールへ行くか水泳の授業のある子供が、前夜にもう水着を着てしまい、部屋の中をあるきまわっている、というだけの一句。なのだけれど、この句はただそれだけには収まらない何らかの気配をはらんでいるように思います。
まず「夜の子」という表現には、夜の時間帯にはしゃいでいる我が子という意味のほかに、夜から生まれた子だったり、必ずしも人間ではない、まるで精霊のような存在とも読むことができますし、暗い時間帯に暗い色のスクール水着を着て「あるく」姿には、旺盛な生命力とともにどこか得体の知れない不気味さが漂ってはいないでしょうか。
ただ考えてみれば、そもそも子供というのは大人のように社会のルールや常識を内面化しておらず、それゆえ不確かで、危なっかしく、予測不可能な、限りなくカオスに近い生き物であり、どんなに「ふつうの大人」に見えても、どこかにそんな生きものとして自分を持っているものです。
8月4日にやぎ座から数えて「DNAにプログラムされた情熱」を意味する2番目のみずがめ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、そうした不可思議な生きものとしての自分を内側に感じつつ、その声や命令に従っていくことになりそうです。
遠い過去とそう遠くない将来を結ぶこと
もう少し分かりやすい言い方をするならば、今週は「自分という個人がいかに優れているか」ということよりも、もっと価値があること、大切なことに気付いていくことがテーマになっているのだと言えます。
それはあなたが社会のノイズにまみれる以前に、漠然と抱いていた思いや欲求でもあったり、何か誰かから受け取ったものであるかも知れません。
いずれにせよ、なにか具体的な成果を画策するといったことより、これまであまり自分と関連付けてこなかった全体の動き―例えば生物の陸上への進出などに対して、何らかの自分との「繋がり」を感じ、自分なりの手応えや確信を強めていくことが肝要。
私たちの遠い祖先は水中から陸上へと上がり、そのまま陸を主戦場としたのは何のためなのでしょうか。そして、それとこれからあなたがやろうとしてしていることはどう繋がっていて、はたまたどう関係していないのか。
今週は、空間的にも、時間的にも発想のスケールを拡大してみるといいでしょう。かえってその方が自分に対してより深く愛着を覚えられるはずです。
今週のキーワード
億年単位の透視