やぎ座
さらば正義、さらば勧善懲悪
育むものとしての正義
今週のやぎ座は、さらば正義の味方。あるいは、悪党を倒すための正義論から脱していこうとするような星回り。
正義の味方は悪党をやっつける存在であり、「水戸黄門」であれ「仮面ライダー」であれ「バットマン」であれ、善行を施し人々に愛されるべき存在として信じられてきた訳ですが、大人になってみると正義の味方はヒーローとしてのみこの世に存在している訳ではなさそうですし、悪党らしい悪党も滅多に存在しないということを痛感してくるはず。
つまり、悪党にも彼らなりの大義があることは珍しくなく、また生育状況の苦労や社会の偏見や不平等などを鑑みると、悪とは個人ではなく社会に帰せられるべきではないかと思い至ってくるのです。
そもそも、正義の反対概念は不正であって、悪ではないでしょう。悪の反対概念は善であり、幸福や名誉、快楽や所得など善に含まれる価値は悪人であれ善人であれ同じように求めるものであって、その意味で悪党の中にも「正義」は存在しうる訳です。
そうであるならば、悪を裁くための正義ではなく、むしろ悪の中の正義を育て、善を呼び覚ますための正義をこそ私たちは念頭に置いていくべきでしょう。
14日に「自分自身」の場所であるやぎ座にある木星・冥王星に改めて焦点があたっていく今週のあなたもまた、単純な勧善懲悪を超えたところに自身の正当性を求め、立証していくことがテーマとなっていきそうです。
胎児からのやり直し
薄皮に覆われているように外部の声は遠く、いつもならば気付かずに聞き逃してしまうようなかすかな音や空気のゆらぎにも妙に気が留まり、まるで乾いたスポンジのように貪欲にそれら知覚情報を吸い込んで、それらの発信源や正体を全身で突き止めようとしていく。
今週のやぎ座の姿は、どこかそんなイメージを連想させます。
もちろんなんとなく時間を潰し、適当にやり過ごすこともできるでしょう。ただ、もし今あなたが少しでも自分に違和感を感じていたり、なぜかは分からないけれど悪い流れに行きかけていると感じているなら、惰性の日和見主義を捨てて一つの決断をしていく時です。
すなわち、人生という川の流れにおいて、自分がいま位置しているよりもずっと上流で、その流れをせき止めたり、流れの変更をもたらしている“石”を取り除きにいくということ。
何もなかった“ふり”をしていくか、そうした問題の根源と向き合いながら、一から自分や自分の人生を作りなおしていくか。肚をきめて向き合っていきたいところ。
今週のキーワード
盗人にも三分の理