やぎ座
行き当たりばったり的解決策
ブリコラージュ的思考の重要性
今週のやぎ座は、未開人における「ブリコラージュ」のごとし。あるいは、知的なたくましさを、現在自分が置かれている状況へと適用しようとしていくような星回り。
偉大な文化人類学者レヴィ=ストロースは、たえざる変化の最中を生きる現代人の考えと、原始時代とほとんど変わらない暮らしをしているような未開人の考えは、両者はまったく別の思考であるとすることで、「人類は歴史的に進歩する」というそれまでの常識をひっくり返してしまいました。
例えば未開人の社会には、周囲の今そこにあるあり合わせの材料を使って椅子や犬小屋など必要なものを作って目的を達し、たくましく生きていく知恵があります。レヴィ=ストロースはそれを「ブリコラージュ(日曜大工)」と呼びました。
未開社会では、どれだけ工夫して必要とするものを創り出せるかが、生死を分けることになるのです。
じつはこれと同じ能力は、昔から科学者や思想家たちが自分で実験研究しようという時、とりあえず使えるものは何でも使ってやっていた訳ですが、逆に簡単に何でもそろうようになってしまった現代社会ではむしろ退化してきつつあるのではないかと思います。
2019年から2020年へと移り、社会の利便性はますます高まっていくでしょうけれど、12年に一度の勢いに乗っているやぎ座にとっては、その中でいかに「ブリコラージュ」的能力を取り戻し、たくましさを磨いて発揮していけるかが問われていくことになりそうです。
清盛のブリコラージュ
鎖国状態が300年以上続いた平安時代が終わり、武士が台頭してきた時代。東の源氏が潤沢な土地財産に基づく不動産経済社会だった一方で、西の平氏には部下たちに与えるほどの土地は既にもう残っていませんでした。
頭領であった平清盛は、そんな危機的状況において、主に明(みん)との貿易航路を開拓・整備することで、交易による動産経済を中心とした流通社会を作りあげ、明銭を部下への褒美として与えていくことで、それを乗り切ったのです。
彼もまた置かれた立場なりに必死に「ブリコラージュ」を試みた先例だったのだと言えるかも知れません。
そこで大切なのは、自分の能力や資産、経験をいったん周囲にオープンに開いて、現場で目につく材料を取り込みつつ、大胆に繋げ直してその意外な利用法を導き出し、最終的に現実と地続きにさせていくこと。
そうして初めて、今後「生き延びる」ための道は開けてくるのです。
まず今週は、焦らず、じっくりと必要な準備と段取りに手間と時間をかけていきましょう。
今週のキーワード
想像していなかった世界線の創出