やぎ座
平凡を恐れない
あざやかに見えた風景を
今週のやぎ座は、「吟行」に出かける俳人のごとし。すなわち、心中の好奇を打ち消して、できるだけ自分のウブな気持ちを大切にしていくような星回り。
吟行とは、俳句の題材を求めて景色のいい場所へ出かけて、その場で何句かを作っていくこと。
よく「文は人なり」とも言いますが、例えば山や湖などの大自然に触れてそれを言葉にする際にも、私たちはあくまで自然を通して人間を、そして自分を通して心のなかに映しだされる景色を見ていく訳であって、ただ名所・旧跡のような‟いい素材”を得たからといって、いい俳句ができるとは限らないのです。
だから、吟行で作られた作品でいいなと感じるのは、大抵どこかひっそりとしていたり、あるいは、余計なこわばりのない、あっさりとした印象のものが多いように思います。
それは、人の目にどう映るかはともかく、自分としては一番ウブな気持ちになって、そういうウブな気持ちのなかにあざやかにみえた風景を17文字で切り取ったものなのでしょう。
そして、そういう一句を自分の作品としていく上で一番大切なことは、平凡を恐れないことなのではないでしょうか。
いよいよ12月3日(火)に約12年ぶりにやぎ座へ木星が移ってくる今週のあなたもまた、人にどう評価されるかはともかく、まずは他ならぬ自分をいとおしむ気持ちを大事にしていきたいところです。
発語の成熟
今週は「言霊」ということについて真剣に考えてみるよい契機とも言えるかも知れません。
普段、自分が口に出して言っている言葉だけでなく、なんとなくネットで検索している言葉、LINEで最近よく使っているスタンプなど。
それらを改めて見直した上で、自らの存在価値をその上に置いていきたいと心から思えるような言葉を定めて、自覚的に口に出し、打ち、書いてみる。それをここでは仮に「発語の成熟」と呼びたいと思います。
そうして自分なりにきちんと成熟させた発語は、繰り返される度に人生という現実にしっかりと根を張っていき、やがて立派な大樹となってあなたを守ってくれます。
できるだけ、等身大の自分に馴染む言葉を探してみてください。
今週のキーワード
等身大の言葉