やぎ座
他力も自力もなかりけり
膝がいてくれてよかった
今週のやぎ座は、「秋草や抱へて膝のなつかしき」(村上鞆彦)という句のごとし。あるいは、自分のアイデンティティーの根源を再確認していくような星回り。
今がすでに懐かしいという感覚は、秋という季節ならではのものという気がします。特に、晴れた日の公園で「秋草」の上に座って、どこまでも続いているような遠くの空をぼーっと眺めていたりすると、なつかしさが全身からこみあげてくる。
ただ、掲句の場合は、そこに少しひねりが入っています。
考えてみれば、大人になると体育座りをする機会というのはなかなかないものですが、作者はこうして膝をかかえるのも随分久しぶりだなと改めて感慨に耽っている訳です。
変な話ですよね。自分の膝なのに。でも、確かにいつもはもっと遠くにあったはずの膝が、今はずっとそばに居てくれているように感じる。それが嬉しい。
28日(月)にやぎ座から数えて「精神的関係性」や「愛を受け取る場所」を意味する11番目のさそり座で新月が起こっていく今週のあなたもまた、そんな作者のように、ずっと近くにあったはずなのに心が離れていたものとの関わりを改めて結びなおしていくことがテーマになっていくでしょう。
わらしべ長者
あなたは今、自分の中で新たなアイデンティティーの輪郭がぼんやりと見えてきている一方で、自分の望みを叶えるためには他の誰かの手助けが必要だという現実を前にして、少し息苦しくなっているかも知れませんね。
こうした状況で、ひとりでもがき続けたり、やせ我慢をしていても何も解決はしません。
もし力を借りることのできる誰か何かが既にあなたの近くにいるのなら、どうしたら共犯関係に巻き込んで、抜き差しならない状況をつくるかを考えつつ、今あるピンチがチャンスへ変わっていく瞬間を待つことです。
例えば「わらしべ長者」では、観音様からの「初めに触ったものを、大事に持って旅に出ろ」というお告げを信じて旅に出て、人の手を借りつつ、次々と交換を繰り返していった結果、ついには大きな屋敷を手に入れました。
自分の手に入れたいものが何なのか、そしてそれを手に入れるために、誰を、何を必要としているのか、改めて見つめ直していくといいでしょう。
今週のキーワード
二人三脚