やぎ座
一致点を探して
ガチリとハマる絶妙な配置
今週のやぎ座は、「春愁の窓越しの星消えさうに」(相沢文子)という句のごとし。あるいは、この世の隅まで目を光らせ、自身の思いの丈を表すための糧を拾いあげていくような星回り。
春は特別な理由などなくとも人の心を浮き立たせますが、その反面ふとしたことで心を曇らせる時があるもの。「春愁(しゅんしゅう)」とは、そうした理由なき憂いのことを言い、同じ意味の季語に「春かなし」や「春の恨み」があります。
掲句ではそんな「春愁」が窓越しに見える星と組み合わされることである種の“文脈”が与えられていますが、「消えさうに」という結びで絶妙に野暮になっていないのは流石。
春の星はどこか潤んでいるように見え、それを自身のそこはかとない寂しさのごときものを詠み表すために的確に配置してくるところなどは、俳人という人種のサガとしか言いようのないものを感じてしまいます。
そして今週のあなたもまた、どこかでこうしたサガに通じるような探究心や追求心を発揮していくことになりそうです。
内心の奥底でかすかに抱いていた“感じ”は、絶妙に引き立ててくれる糧をあなたが見つけることで、次第に確かなものへと変わっていくでしょう。
ほんのささいなこと
どんな人の中にも、長いこと色々なものが詰め込まれた「心の押し入れ」があるものですが、あなたはいまその押し入れを開け、中のものを取り出し、確認していく必要に迫られているのだとも言えるかもしれません。
特に、ほんのささいな小さな出来事や光景、それにまつわるアイテムの中に、大きなヒントや人生全体を貫くようなテーマが隠れているということはとても多いのです。
大きな変化を迎えるために、逆に小さなパーツに集中していく。
こうした作業を続けていくと、感覚の解像度は自然とあがっていきますし、それは今のあなたにとって楽しくも新鮮な衝撃を伴ってくるでしょう。
今週のキーワード
解像度をあげる