やぎ座
転んでもタダで起きない
逆境を利用する
今週のやぎ座は、「一日物云はず蝶の影さす」(尾崎放哉)という句のごとし。あるいは、動きのない時間の中でこそ可能な働きかけもあるということを知っていくような星回り。
言うまでもなく「蝶の影さす」とは、ほんの一瞬の出来事であり、それがたった一度きりであれ幾度かあったことであれ、物云わずに過ごした長い長い「1日」から比べれば、ほんのまばたき程度にしか感じられないだろう。
昨中、主体は作者自身であろうけれど、あえて口を閉ざしていたのか、それとも単に話しかける相手が誰もいなかったのかは定かではない。
いずれにせよなんとも寂しい話であるが、静かで動きのない、緊張した時間を過ごした者でなければ、「蝶の影さす」なんてことがあることに気が付きさえしなかったかもしれない。
あるいは、こうして孤独の中でぽつりと吐き出すように詠まれた句に、わずかとは言え読者が触れていくこともまた「蝶の影さす」なのだと言える。少なくとも、そうした想像を膨らませることは作者にとって慰めであり、喜びであったに違いない。
19日(金)にてんびん座で満月を迎えていく今週は、作者ほどではないにせよ、何かしら動きや思考が制限されることもあるかもしれませんが、そんな状況を逆に利用していくことで、普段しないような想像や頭の使い方をしてみるといいでしょう。
理由なきつまづく現象
一見何もないところでつまづいてしまった。最近そんなことはいつありましたか?
これは、これまで見慣れていたはずの特定の文字がゲシュタルト崩壊を起こして読めなくなってしまったりとか、よく知っている人物の名前を度忘れしたしまったなんて出来事と並べてみれば、さほど珍しくないのではないでしょうか。
つまり、突然歩き方が分からなくなってしまったり、あるいは無意識的にかかっていた制約が何かの拍子で表面化してきたりと、とにかくそこで意識の混線(場合によっては思考回路のショート)が起こり、これまで当たり前にできていたことができなくなってしまうのです。
もしかしたら掲句もそうした現象の一例だったのかもしれませんし、今のあなたにもそれとどこか通底することが起きやすいように思います。
その意味で今週は、あまり無理をして気を張るより「人生なんて転んでナンボ」と開き直って力を抜いてみることを大事にしていくといいでしょう。
今週のキーワード
頭の使い方を180度変えてみる