やぎ座
伸縮を促していく
硬直からの離脱
今週のやぎ座は、陸から海へと漕ぎ出していく海洋民のごとし。すなわち、終わり始めている陸地中心の価値観から、脱していこうとするような星回り。
ここ1万年あまり、人類は長いこと内陸の平地を中心とした世界観や価値観ないし芸術館を養い育ててきましたが、21世紀に入ってインターネットや経済などさまざまな面において、ふたたび海を中心とした海洋民的なそれへと変わりつつあるのではないか、と言われるようになってきました。
つまり国境や身分など、境界線の明確さがどんどん崩れていったり、危うくなったりして、それを越えていく動きがまずバーチャルな情報の海みたいなところで出てくるようになっている。
仕事であれ恋愛であれ結婚であれ、もっと色々なことを固定された1つの形にあてこんで考えていくのではなく、複数の形のあいだを自由に行き来していく流動体として捉えていこうという訳ですね。
その意味で今週はやぎ座の人たちにとって、もっと自由な発想やより流動的なアプローチを実践していくのにちょうどいいスタート期間となっていくでしょう。
あえて隙をつくっていくこと
よく武道の世界で「隙をつく」などと言いますが、吐く息と吸う息のあいだというのは、意識のコントロールがきかず、その一瞬だけまったくの無防備となるため、戦いにおいてはできるだけこの呼吸の隙を小さくしていかねばなりません。
ただ、そうして息を殺していると、常に身構えっぱなしの状態となっていきます。
さらに、その状態にだんだん疲れてくると、今度はいざという時の集中力が落ちたり、あるいは力の抜き方もすっかり下手っぴになってしまいます。
これはさながら江戸の水路をすべて埋め立てて出来た東京という都市とその上で暮らす都民の関係に似ています。
人は大人になると、どうしても赤ちゃんのように無防備ではいられなくなってしまう訳ですが、今週のあなたは、どこかで失ってしまった隙をもういちど取り戻そうとしているのかもしれません。
硬い背骨を一度バラバラにして、呼吸の「呼」と「吸」のあいだがゆったりと広がっていくさまをイメージしていきましょう。
今週のキーワード
陸上の呼吸と水上の呼吸