やぎ座
分かりやすさとむずかしさ
面白いのはどっち?
今週のやぎ座は、ひとりの人間を支えることの大変さを痛感するとき。あるいは、難しいことほど面白い、という気持ちが芽生えるかどうかを、自分の中で確かめていくような星回り。
世の中、なんとなく「“分かりやすさ”がいちばん大切だ」と言われがちです。
もちろん、難しいことをわかりやすく言えるというのは、相手への心遣いがあるということですし、そういう心遣いに嬉しくなってしまうのは人として自然なことです。
ただ、あまりにそういう「分かりやすさ」を当たり前のものと思って、最初から「分かりやすさ」がうかがえないものは認めなくなってきてしまうと、危ないなとも思います。
だって、世の中は不条理で複雑で、簡単には分からないことの方がほとんどだからです。
難しいことをわかりやすく言える人というのは、そうした不条理や複雑さとじっと向き合ってきたから、ある時点でそれができるようになったはずですが、分かりやすく言い換えたり説明していくなかで、そうした彼らの苦労や誤解や不毛の多くが抜け落ちていくのです。
おそらく、ちょっとくらい難しくても、よっこらせと腰をあげて「がんばりますか」と言えないのなら、その人はその難しさを伴なう何かに本質的に興味がないのではないでしょう。
逆に言えば、そういう風に自然と思えるものがあるのなら、あなたはその何かを本質的に面白がれる人なのだと思います。
難しいことはなぜ面白い?
もちろん、人生の時間は限られていますし、必ずしも難しいことに取り組んだり、勉強したりしなければならない訳ではありません。
どんな人やものに憧れるのか、どんな風にものにしていくかは、自分で決めていくしかない。
けれど知っておいてほしいのは、難しいことにかじりつき、その一部でも自らの頭でかみ砕くことができたとき、着実に見えてくる世界は変わってくるということ。
難しいことを面白いと思えるということは、その難しさによって自分を変えたいということでもあるのです。
難しければ難しいほど、格闘を終えた後の自分の世界の見せ方は大きく変わる。だから面白いんだという感覚を、今週だけでもどうか思い出そうとしてみてください。
今週のキーワード
難しそうに見えるだけで大して難しくないものも世の中たくさんある