かに座
理想への祈り
新たな自分を創り出す
今週のかに座は「揺るぎ出て日輪を見よ山椒魚」(茨木和生)という句のごとし。あるいは、自分を超えた自分の姿を創り出していくような星回り。
「揺るぎ出て」と言うからには、小さな幼体などではなく、これは巨大なサンショウウオなのだろう。そんなに大きくなったのだから、たまには水面に出て、自分よりさらに大きな太陽を仰いでごらんと、作者は誘っているのだ。
このサンショウウオは、言ってみれば現在のあなたの姿そのままかもしれません。いろいろな体験を積み重ね、十分に成長してきた自負を持ちつつも、どこか手詰まりな感が否めない。
けれど、それはいつまでも水の底で沈んだままであるからであって、これまでとは違うべつの環境へと置き変えてみれば、そこには目の覚めるのような新たな理想が垣間見えるはず。
浮上すること、そして仰ぎ見るべき存在を探すこと、そしてそうした存在の影響を受けとっていくこと。この3つこそが、今のあなたが取り組んでいくべき課題なのだと言えるでしょう。
今週はできるだけキラキラとした場所へと足を運んでみるといいかもしれません。
祈りと望みの違い
上の3つを結びつけていけるか否かは、あなたの願いが単なる望みで終わるか、それとも祈りとなりえるか、という風にも置き換えることができるでしょう。
祈りとは、望みとは決定的に異なっており、平和であれ、日が昇ることであれ、そうした事態に自分も加わって、その責任の一端を引き受けたいという意志の現れです。
つまり、自分にとってそれほどまでに大切だと思えるものが明確でなければ、自然と祈りから人は遠ざかっていきます。ましてやあれもこれもと手を伸ばし過ぎて、何が本当に大切なのかが分からなくなってしまえば、祈りは生活から消え失せてしまうはず。
今週は、不要な欲望や過剰な自己防衛を丁寧にぬぐい落としていくことで、本来の自分のカラーを少しでも取り戻していけるかどうかがテーマとなっていくでしょう。
逆に、どれだけキラキラしていても祈りの対象とできないのであれば、それはあなたが仰ぎ見るべき対象ではなののだと、自分に言い聞かせていくべし。
今週のキーワード
アートとしての祈り