かに座
自分を本気にさせていく
真実を突け!
今週のかに座は、「月の裏側」から歴史に取り組む学者のごとし。あるいは、心に秘めてきた真実を、思い切って示していこうとするような星回り。
政治学者の丸山眞男は名著『日本政治思想史研究』(1952年)において、明治時代の初めに日本が西洋と対等になろうとしたのは、西洋から自分をよりよく守るための手段を見出すためだったということについて言及してみせました。
こうした丸山の明治維新への洞察は、どこか今週のかに座の人たちのテーマと通底していくところがあるように思います。
文化人類学者のレヴィ=ストロースは日本はヨーロッパと太陽塀の架け橋の役割を果たしつつ、ヨーロッパと似通っていながらも対極にある歴史を発展させてきたと考えました。
19世紀に起きた日本の動きを18世紀のフランスの動きと比較して取り上げつつ、日本の歴史を「月の裏側」に例え、丸山をそうした歴史に取り組む学者の1人に挙げたのです。
これはギリシャ、ローマ以来のヨーロッパの歴史を「月の表側」とした時、それは歴史の半面でしかなく、日本やアメリカなどの歴史の動きをその内側から洞察していくのでなければ、真の歴史理解には繋がらないという彼の考えの現れでもありました。
6日(金)にかに座から数えて「必要な準備」を意味する6番目のいて座で上弦の月を迎えていく今週のあなたは、自分が身を置く社会やコミュニティーの真実を内側から看破していくことが求められていきそうです。
脳から心臓へ
現代という時代における悲劇とは、何事においてもいまいち「本気になれない」ということの中にあるのではないかと思いますが、それはここ最近のあなたの姿でもあるかもしれませんね。
感情的な「エモさ」や身体的な生命力のようなものが根本的なところで満たされることがないために、思いっきり何かにチャレンジするとか、あるいは非現実的な理想や夢を追いかけるというモードへ、なかなか移っていけない。
あるいは、好きなのかどうかさえも自分で分からない半端な相手ばかりと付き合ってしまったり、付き合っていても相手とぶつかることを避けた結果、なんだか余計にさみしさが深まってしまうこともあるでしょう。
それでこうした事態の本質というのは、言ってみれば「見てるだけ」なんです。
脳が主体になると、どうしても何かを見て脳を刺激すること自体が目的化してしまう。そうなると、自分のことさえどこか他人事のようにモニタリングしている状態になっていくので、結果、何も大事なことは起こりはしない。
自分を本気にするためには、身体や心から持てる力をしぼり出して、それまで止まっていた心臓に主導権を移し、少しでも高鳴らせていくこと。最終的に今週のあなたに贈る言葉は、その一点に尽きるでしょう。
今週のキーワード
ハートで語る