かに座
風と余白
新たなサイクルへ
今週のかに座は、すごく気持ちのいい風が心の奥を吹き抜けていくよう。すなわち、なんだかこれまでが嘘のように憑き物が落ちていくような星回り。
キリスト教圏では、春分の日の後の満月を過ぎた最初の日曜日を「復活祭」と呼び、1年を通して最大の祝日として特別に大事にしています(今年は4月21日)。
例えば、神秘思想家のシュタイナーなどは復活祭のタイミングあたりを「地球が息を吐くとき」と述べており、地球に住む人間の心魂もまた宇宙へと流れ出し、そこで太陽の力を受け取っていくことのできる最大の機会なのだと説明していました(『人体と宇宙のリズム』)。
3月28日(木)にはやぎ座で下弦の月を形成し、4月5日(金)のおひつじ座新月、そして復活祭へと新たなサイクルへ向けて、本格的に「残夢処理」に入っていく今週は、特にかに座のあなたにとって心のモヤモヤを一掃するだけの力強い春風が吹いていくような1週間となっていきそうです。
ただ、その際あくまで意識の中心に据えるべきは、地上に降り注ぐ春の日差しであり、それを浴びた時に感じる気持ちよさやあたたかさ。
それらを全身で感じていくうちに、一斉に開いていく桜の花のごとく、あなたの中でわだかまっていたエネルギーは行き場と使い道を得ていくでしょう。
ふすまを開ける
味わいや匂いというのは、記憶の奥深くに刻み込まれます。
現代の人間においての「記憶」とは、ほとんど思い出したくない過去の苦しみの押入れのようになっているように思います。
ただ、あんまりぎゅうぎゅうまで押入れが詰まっていると、新しい記憶が入っていかなくなりますから、何を食べても舌が美味しさを感じなくなくなったり、世界から匂いが消えていたりするわけです。
あるいは、日々、どうしたら時間をつぶせるか途方に暮れているような場合、人は今にも雪崩を起こしそうな押入れに、既に生活圏だけでなく心の余裕そのものををつぶされてしまっているのかもしれません。
今週は、記憶が乱雑につっこんである押入れの整理に手を出したり、このところ詰めこみがちだったスケジュールに余白を作ってみるのもいいでしょう。
今週のキーワード
匂いと味を取り戻す