かに座
巡る季節への対処
備えと仕込み
今週のかに座は、「鵙の贄ここより大気乾きゆく」(角谷昌子)という句のごとし。あるいは、そう遠くないうちにやってくる未来への備えをしていくような星回り。
「鵙(もず)の贄(にえ)」とは、肉食性の鳥である鵙が、捕まえたカエルやトカゲなどを木の枝に突き刺し、後で食べようと思ってそのまま忘れてしまったもの。
からからに干乾びてしまった「鵙の贄」を見つけて、作者は冬の訪れを確かに予感したのでしょう。
「ここより大気乾きゆく」とは、科学の言葉ではなく詩の言葉であり、自然界のフラグを受けてみずからの精神もまた一瞬で切り替わってしまった様子がよく伝わってきます。
そして今のあなたもまた、ある種の運気の変わり目にいるのだと言えます。特に今週は、それが目に見えて視覚化されてきやすいタイミング。
意識のスイッチを切り替えていくためにも、まだ少し早すぎるかなと思うくらい先の事態への準備や仕込みを、あえて始めていくといいでしょう。
未来は過去の中にある
“モノ”の本を読んでいると、どうも生物というのは古生代末期に約1億年をかけて、海から陸への上陸と撤退のドラマを繰り返してきたという歴史を持っているそうですね。
今でも人間というのは、かつてそうだったように「海」から這い上がる者と、再びそこへと還っていく者とに分かれるように思います。
つまり、系統発生を繰り返しつつ、一定の割合で淘汰された役柄に自分を重ねていく人たちがいるのです。
もちろん、ここでそのどちらが成功で、どちらが失敗だとか、そういうことを言うつもりはありません。
陸地の居心地が悪くて海に還っていった歴史に、たまたまシンパシーを感じ、波長があった、それだけのことなのでしょう。
けれど、覚えておいて欲しいのは、共感は自分の未来を創る力強い第一歩なのだということ。
歴史は繰り返されるというけれど、あなたが共感を寄せるのはいったいどんな歴史なのでしょうか?
今週は歴史への自覚的な共感を深めていくことで、未来へ花を咲かせていくための大切な滋養を吸収していきましょう。
今週のキーワード
個体発生は系統発生を繰り返す