かに座
裏の自分の取り扱い
影への自覚
今週のかに座は、みずからの影と仲良くしようと試みていくような星回り。あるいは、自身の苦しみに名前を付けて飼いならしていくこと。
影。それは犬と同じように忠実で、厚かましく、恥知らずで、だが時として慰みとなり、同じように賢い。
そう、だから今週は思い切ってみずからに付き従う影を「犬」と命名してみてもいいかもしれない。
ちょっとしたことで怒鳴りつけ、当たり散らして鬱憤を晴らすこともできる。逆に、ささいなことでご褒美をあげ、可愛がって愛情を注ぐことだってできる。
それはおそらく、普段あなたがテレビやネットの記事、Twitterの炎上案件など、「間違っている」「悪だと見なしやすい」ことや人たちに対して無意識的に取っている態度や口調が、そのまま反映されてくるはず。
くれぐれも影に本体をのっとられないよう、自身のとっている態度や言動への自覚を深め、影と仲良くしていくよう心がけてみてください。
「表の自分」と「裏の自分」
雑誌『季刊仏教』に掲載されていた「宗教と癒し」というテーマでの対談の中で、心理学者の河合隼雄を相手に宗教哲学者の上田閑照が、その興味深い子供観について語っていました。
「上田は言う。われわれのなかには、実は二人の子供が住んでいる、と。一人の子供は、表の自分となって年とともに、年相応に成長し、変化してゆくが、しかし裏の自分であるもう一人の子供は年をとらないで子供のままでいる。外なる子供は変化して大人になるが、内なる子供は変化せずに子供のままでいる。どうもわれわれはこの二種類の子供を宿し、生きているのではないか、と。」
上田は続けて、親と子、いや老人と子供くらい年の離れた関係であったとしても、「外なる子供同士ではなく、内なる子供同士がその内密の感覚をもって」出会うとき、そこで人は至福の感情に包まれるのだと言うのです。
これはいわば「裏の自分」としての「影」なのではないか。少なくとも、初めて上田の子供観について触れたとき、そう思いました。
そしておそらく、今週のかに座であればそれよりもずっと深い実感が得られるでしょう。どうかそのご実感を大切に。
今週のキーワード
自身の影を「犬」と名付ける