おひつじ座
蜜で満たす
丁寧なメンテナンスを
今週のおひつじ座は、「蜜満ちてありと思へりこの星の海に陸地に人のからだに」(高野公彦)という歌のごとし。あるいは、自分が日々、何によって満たされているのかを丁寧に感じ直していくような星回りです。
この「蜜」とは、「般若波羅蜜多」の「蜜」のこと。つまり、悟りにいたるための知恵の完成を意味します。
そう考えると、掲句は単に甘美な楽園の理想を思い描いてロマンティックに歌われている訳ではない。この星のさまざまなところに散らばっている悩みの種や無視できない人生上の矛盾や葛藤を、ひとつでも多く解決し、あるいは晴らしていくことができるかという、決意表明のようにも感じられてきます。
差し当たっては、まず自分のからだが「蜜」で満たされていくために何ができるのか、どの方法がベストなのか。毎日の生活習慣を見直していくことから始めていきましょう。
L.C.Lに浮かぶように
例えばアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』では、パイロットの少年少女たちが巨大人型兵器の操縦空間であるエントリープラグに入る様子が描かれていますが、「蜜満ちて」というのもそれに近い感覚なのだと言えるかもしれません。
プラグ内は「L.C.L(同調接続用液体)」つまり羊水で充たされ、パイロットはそこで肺呼吸から液体呼吸に切り替え、生命の源につながって、自我の輪郭を溶けさせつつ、漂っています。
心の底からの真剣な需要であれば、宇宙は必ずそれを満たしてくれるようにできていますが、今週のテーマとなるのは、あなたにとって真剣な需要とは一体何なのか? ということ。
今週あたり、キャンドルの明かりで風呂にでもつかるか、とっておきのつまみと一緒にワインでも飲みながら、日頃は心身の隅々にまで沈みこんでいる需要が浮かびあがってくるのを待つ晩があってもいいでしょう。
今週のキーワード
根源につながる