おひつじ座
星座をつむぐ
真実の相
今週のおひつじ座は、「晴ればれと亡き人はいま辛夷の芽」(友岡子郷)という句のごとし。生き変わり死に変わりしていく運命(さだめ)を、どこか爽やかな気持ちで受け入れていくような星回り。
吹く風のまだ冷たい早春の頃、よく晴れて気持ちのいい日にふと目をやると、辛夷(こぶし)が芽吹いていた。そんな新しい生命の誕生の息吹に、作者は思わず「亡き人」の所在を想ったのでしょう。
確かに、かなしいほどに青く澄みわたっている天は、どこか別の次元へとつながっているように思える時があります。
そもそも花や植物というものは、つねに自然(野生)に帰ろうとしていますが、その気持ちをぐっとこらえて、人間のそばに暮らし、人間を助けたり、喜ばしたりしてくれている。そして人間だけがそのことに気付かずに(あるいは気付かない振りをして)、自分の運命から必死に逃れようとしているのかもしれません。
今週のあなたは、作者がこぶしの芽にそうした「真実の相」を感じとったように、どこかで自分のさだめのようなものから逃れるのをやめ、受け入れていくためのきっかけを掴んでいくことでしょう。
ジョブスの講演
スティーブ・ジョブスが2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチは、とても有名なもの。余裕があれば、おひつじ座の人は今週のどこかで、Youtubeなどで今一度彼の言葉に耳を傾けてみるといいでしょう。
ジョブスはそこで、「たまらなく好きなものを見つけなければならない」と繰り返し語りました。あるいは
「何かを信じなければならない。直感、運命、人生、カルマ、その他なんでも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、私の人生に大きな違いをもたらした」、「自分の心と直感以外はすべて二の次」
であり、そして
「点はあとになってつなぐことしかできない」
と。
夜空の星座もまた、最初の1点が人の想像力によって打たれなければ、線がのび、像を結ぶこともなかったはずです。いずれ自分も空にあがれるように、生きている内に点を打っていくべし。
今週のキーワード
臨生の視点