おひつじ座
兆しを掲げる
アイデンティティーの上書き
今週のおひつじ座は、「ひらきみる手相かがやく日向ぼこ」(国弘賢治)という句のごとし。あるいは、再建か改革か、みずからの立場について宣言をしていくような星回り。
手相は見るたびに変わると言いますが、改めて日の当たる場所で自分の手を開いてみると、見覚えのない線やしわが出来ていたりするもので、思わず覗き込んでしまう。
掲句では、そんな手相が「かがやく」という形容詞とともに描写されており、どこか明るい兆しを感じとって、意気揚々としている作者の気持ちが伝わってくるようですね。
忙しい日々を過ごして意識が外を向いていたあいだに、その根本から自分が変わってしまっているのも人間なら、気付いた線や解釈に引っ張られて、すっかりその気になってしまうのもまた人間なのでしょう。
今週はいつの間にか刻まれていた未来への兆しを認識し、そして名前をつけていくことで、新しいアイデンティティーを上書きしていくことができるかもしれません。
もらいたい報酬から先に設定する
アイデンティティーの上書きが、単なる妄想や自己否定の裏返しにならないようにするためには、どうしたらいいか。
シンプルな話ではありますが「明るい未来の兆し」をはかるための、「(未来の)自分に相応しい報酬」の基準をうんと高く設定してみること。「すごすぎる自分」には気持ちよく酔えても、それが「すごすぎる報酬」になってくると、途端に酔いがさめてくるのが人間というものです。
どれくらいの「恵まれ方」であれば自分は健全でいられるのか、今週はそのボーダーを改めて明確にしてみるといいでしょう。
今週のキーワード
新しい線を見つける