おひつじ座
他者を通して知ることができるもの
偶然なる自分事
今週のおひつじ座は、「新聞の追悼抄に出る人の齢はおほかたわれより低し」(北浦輝彦)という歌のごとし。あるいは、ありえたかも知れない自分の運命と交錯していくような星回り。
有名な人が亡くなると、新聞やネットニュースなどに記事や追悼文が載りますが、その時に時に必ず亡くなった人の年齢が記載されます。
特に、コロナ禍になってからこちら側の現実世界では、ふと目にした訃報で若い年齢を目にする機会が格段に増えたはず。
作者は1919年生まれで、おそらくこの歌も太平洋戦争時のことを歌っていたものですが、状況としては現在の状況下と通じるところがあるかも知れません。
読んだ側も大抵は「若死にだなぁ」とか「自分はまだまだ」とか、他人事としてそれを受け流していく訳ですが、少なくとも作者の場合は、そこにありえたかも知れない自分の運命を見ていたのではないでしょうか。
17日におひつじ座から数えて「自己の再発見」を意味する7番目のてんびん座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、ふとした瞬間に目に飛び込んでくる自分事を受け止めていくだけの心の余裕を有しておきたいところです。
新しい感情の発見
1977年に打ち上げられた2機のボイジャー探査機には、電子メッセージが積載されていましたが、そこには当時のアメリカ大統領ジミー・カーターの次のようなメッセージも含まれていました。
これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、われわれの音・科学・画像・音楽・考え・感じ方を表したものです。私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。
例えば、人類の送った音を聞いた異星人が、そこで初めて「愛」という感情を知る、といったことも全くありえない話ではないでしょう。逆も然り。それが音であれ、言葉であれ、何らかのイメージであれ、全宇宙を覆う暗黒の圧倒的な断絶を乗り越えてあなたの元へ届いたメッセージであり、そうであるからこそ、そこであなたは新しい感情と出会うことができるのです。
もし今あなたに何らかの強い感情を起こさせる相手がいるのなら、その時は自分が死んだ後にこの世に残しておきたい感情とは何だろうかということもぜひ考えてみてください。
おひつじ座の今週のキーワード
並行世界と多元宇宙