おひつじ座
宇宙的、あまりに宇宙的な
こちらは6月21日週の占いです。6月28日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
根源的利益を得ること
今週のおひつじ座は、レイモンド・マンゴーの『就職しないで生きるには』の一節のごとし。あるいは、「生きること」と「働くこと」をできるだけ分けず結びつけていこうとするような星回り。
人びとが、やって楽しいことをやりつつ、心の奥底で自由に生きていられるようにしてくれるなにか。そんなことをやりながら、なおかつ生計がたつ道をひらいてくれるなにか。それは稀少な利益、生命のおくりもの、活動のエネルギー、根源からの利益―人に回復感、興奮、エネルギーの活性化を感じさせる一日の労働。枯渇につながる労働とはべつのもの。
この本が書かれたのはもう40年以上も前ですが、彼が説いていたのは、ただラクをして生きることなどではありませんでした。
そうではなくて、働くことによって人が自由になり、生きる力と歓びを得ること。彼はそうして得られたものを、単にお金を得ることを目的として得た利益と区別して「根源的利益(Cosmic Profit)」と呼びました。
25日におひつじ座から数えて「社会的到達点」を意味する10番目のやぎ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、いつかとは言わず、自分の仕事と生き方が「根源的利益」につながっていく予感を抱いていきたいところです。
粘菌の生存戦略
梅雨時の森に入ると、腐った樹木の表面などに、思わずハッとするほど美しい色彩をした粘っこい感触の生き物らしきものが貼りついているのを見かけることがあります。
そして、根気強く観察を続けていれば次第にその生き物らしきものが、ゆっくりと動いているのが分かるでしょう。それはアメーバ状の原形体の状態にある粘菌が、樹木の表面にいる他の生物を捕食しながら進んでいる現場であり、このとき粘菌は細胞分裂を繰り返しながらまさに「動物」として振る舞っているのです。
とはいえ、粘菌はいつもその状態にある訳ではなく、やがて雨が止みあたりが乾燥してくると、動きをとめて一斉に茎をのばし、その先端に胞子嚢(ほうしのう)をふくらませて、あたり一面に胞子を飛ばす「植物」へと変身していきます。
こうした「動物」と「植物」とのあいだでつねにゆらいでいる粘菌の生態は、どこか「生きること」と「働くこと」を区別しないマンゴーの提唱した生存戦略にも通じているように思います。
今週のおひつじ座も、いっそ自身をぴちぴちとうごめいている粘菌になったつもりで過ごしてみるといいかも知れません。
おひつじ座の今週のキーワード
「奇怪な生物、他の星界よりきたり動植物の元となりしものなり」(粘菌について述べたランカスター博士の言)