おひつじ座
燕よ、花よ
今日以後を飛ぶ燕
今週のおひつじ座は、「勇気こそ欲し今日以後を飛ぶ燕」(秋元不死男)という句のごとし。あるいは、混乱の最中において、ひとつの問題に集中していくような星回り。
作者の自注には、「観念俳句だが、わたし自身には今でも時々唸ってくるリアルな俳句である」とあり、確かにそう感じさせられる一句です。
おそらくそれは、「今日」というのが過去と未来の接点となって、そこを作者の感情を託された「燕」という具象的なイメージが幾度でも飛び去っていくからでしょう。
「今日以後を飛ぶ燕」という言葉には、勇気という素朴な力の発動と、ただまっしぐらな突進だけが描写されていて、その力強い鮮烈さこそ、まさに今のおひつじ座が求めているものなのではないでしょうか。
19日(火)におひつじ座の守護星である火星がてんびん座からさそり座へと移っていく今週は、ここのところやや低空飛行の続いていたおひつじ座にとって、本来の力強さや決断力が戻ってくるタイミングとなっていきそうです。
「アスファルトに咲く花のように」
関わる相手や目まぐるしい状況に振り回されつつも、たくましく己を咲かす花のように。
アスファルトに咲く花の、何気ない立ち姿は、宇宙の中心は「勇気」なんだとさりげなく伝えてくれているかのようでもあります。
あるいはそれは、さまざまな思いで揺れたり、時に耐えがたいプレッシャーで押し潰されそうになったとしても、どんなに長くても百年、短ければその半分以下、こんな感じで揺れていければいいのかな、だとしたら何てこともないな、という感覚をも呼び起こすでしょう。
「抱きしめてる思い出とか、プライドとか、捨てたらまたいいことあるから」
と歌う岡本真夜が夢に出てくる。人生にはそんな夜が何度あってもおかしくはないし、逆にそんなセリフを誰かに向かって口にすることだってあるかも知れない。
一見、強そうに見える人の背中には弱さの花が咲き、はかなげな手つき足どりには「私をみつけて」と訴える強靭さが乱れ咲く。どうせ花なら、存分に咲くまでよ。
今週はどうもそんなことを、次第に思い出していく時期となっていきそうです。
今週のキーワード
線的人生から点的生へ