おひつじ座
自然と舵を切っていく
光揺れ風そよぐ
今週のおひつじ座は、「風光る入江のぽんぽん蒸気かな」(内田百閒)という句のごとし。すなわち、周囲へ向けて心の赴くままに、生命力をほとばしらせていくような星回り。
「風光る」で春の季語。風やわらかも同じ意味。
昔は小さな貨物船や漁船はみんな「ぽんぽん」とどこか嬉しげな音を立てて走っていたものですが、掲句に詠まれているような、うららかな春の日に風がそよぎ光が揺らいで、まるでいのちを持っているかのような水面の上を船がゆくその姿は、どこか今週のおひつじ座に重なるようです。
おひつじ座の終わり方の太陽と、てんびん座の終わりの方の月とで19日(金)の夜に満月を形成していく今週は、そこらをただ理由もなく無邪気に走り回る子供のようになって自分という「船」を進めていく喜びを全身で感じていくことができるはず。
特に、特定の相手であれ周囲全般に対してであれ、これまで溶けずに残っていたこわばりが溶けて、他者に対して今までに増して開かれていくような感覚を覚えていく人も多いでしょう。
その意味で、今週はこれまで停滞していた関係や状況にはずみをつけるにはもってこいのタイミングと言えるかもしれません。
弾力と呼吸にのって身体は進む
リラックスする時には思いっきり広がり、集中するときはギューッと縮む。生き物らしい弾力というのは、たぶんそれに尽きるのだと思いますが、そこに自然と深い呼吸もついてくる。
そうして、呼吸が深まっていくと、身体の確かな響きや温かな鼓動が戻ってきて、呼吸の「呼」と「吸」のあいだで、身体の方から先に自分が進むべき道を選んで、舵を切っていくような、不思議な感じがしてくる。
おそらく、そういう瞬間を再生とか治癒と言ってきたのではないかと思います。
便秘のように詰まったままの息があるなら、今が手の入れ時でしょう。戦闘モードを解除して、その分のエネルギーで銭湯や温泉にでも行って、たっぷりのお湯に浸かってみるのもいいかもしれません。
今週のキーワード
いのちの洗濯