おひつじ座
弱肉強食を超えて
一心同体が成立する位相
今週のおひつじ座は、「友を食むおたまじゃくしの腮(あぎと)かな」(島村元)という句のごとし。すなわち、恋愛や友情といったつまらない線引きを超えた、もっと根源的なつながりを求めていくような星回り。
おたまじゃくしは動物性タンパク質のエサが与えられないと、すぐに共食いを始めます。いかにも童話的に感じられる小動物が、平然と「友を食む」。子供の頃、たまたまそんな情景や痕跡を見かけて、急に怖ろしくなってしまった人もいるのではないでしょうか。
もちろん、同じことは人間においても十分に起こりえる話です。その意味で、この句には生きるということの極限の相が記録されているのだと言えます。
生きることは食べることであり、食べることは生きること。そうした日常的に確認されるテーゼのすぐ下には、死ぬということは誰か他者に飲みこまてしまうこと、食われることであるという、もうひとつのテーゼが貼りついている。
そのことに気付いてくると、今度はそれを許容しあえる関係というものがもしあるとしたら、それはどんな関係なのか、という疑問が浮かんできます。
自分が相手の一部となって取り込まれてでも一緒にいたいとか、逆に相手があまりにも自分の中で欠かせない存在となっていることを受け入れ、言葉の通り一心同体となっているような関係。
どっちが上とか下とか、勝ちとか負けとか、そういうレースから降りたところでも、まだ完全に壊れることなく成立している関係。
例えば、のび太とドラえもんもそうした関係の一例と言えるかもしれません。
約8年ものおひつじ座天王星期を終えた今、程度の差こそあれ、そう思える関係、あるいは少しでもそう思えそうな関係はどこに成立していきそうなのか。この機に考えてみるといいでしょう。
おなじ地球人として
世の中や人生には、思わず目を背けたくなるような現実がゴロゴロ転がっているものですが、あなたはどこまでそこに意識を向けられているでしょうか?
あるいは、どれだけ目を背けているのでしょうか?
地球を直径1メートルほどのボールだとすれば、生命の生きることのできる大気圏は、ほんの紙1枚分の厚さしかないのだそうです。
たとえあなたはどれだけ目を背けたとしても、あなたはすでにそんな領域をたくさんの生命と共有しているのです。
今週のあなたは、繋がろうと思えばどんな相手でも繋がれる環境を、存分に活用し、楽しんでいくくらいの姿勢が問われてきそうです。
今週のキーワード
友を食む