おひつじ座
自分の内側へ降りていく
夢と空き地
今週のおひつじ座に必要なものは、「二歩下がる勇気」です。そう聞いてあなたは「縁起でもない」と顔をしかめるかも知れませんね。
ただ、そう遠くないうちに、このタイミングで二歩下がっておいたことが、新年早々に一歩二歩三歩とさっさと歩いていくより、ずっと価値のあることだったと、分かってもらえると思います。
というのも、おひつじ座の人が走り続けるためには、他のどの星座の人より大きな、ずっと見続けていられるような「夢」が必要なんです。
それもこの場合、実現可能な夢かどうかよりも、その夢がどれだけ深いものであるかが大切で、ちょうどあなたという人生の内部にありながら、いまだ溶け込みきれず輪の外で佇んでいる幼い頃の自分として、“それ(夢)”は存在しています。
色や形もぼやけた、曖昧で空虚で、ビルの合間にふいに現れる空き地のような夢の場所へ、ほんのちょっとだけ戻る。まどろむ。
自分は何のために生きているのか、とかそういう難しいことは考えなくていいんです。ただ、その場所のおかげで今の自分が存在できているという「安心感」を取り戻していくこと。まずはそれだけを頭に置いて、後のことはすべて忘れてください。
鼻歌でも歌いながら
資本主義の時代において、都市の無意識は機能性を失った空き地にこそ宿るのだと言われていますが、そういう場所にふさわしい仕方で「降りていく」という動作は何も今週だけでなく、牡羊座にとって2017年を象徴するイメージと言えます。
それは例えば、進むべき道を「外(どこか遠く)×上(上昇)」の方角に設定するのではなく、「内(既にあった)×下(下降)」の方角へと切り替えて、“無理のない”“等身大の”生の実感への原点回帰をあなたにもたらすかも知れません。
もし行き詰まりを感じたら、とりあえず鼻歌でも歌って適当にぶらぶら散歩してみてください。次第に自分への嘘や恨みつらみに囚われる愚かさは消えていき、足どりは空き地に通じる道へと自然と向かっていくでしょう。
今週のキーワード
二歩下がる勇気、夢と空き地、夢の手触りを取り戻す、「外×上」から「内×下」へ、原点回帰、鼻歌、「降りていく」(2017年)