おひつじ座
パワースポットから聖地へ
外部に主語はある
今週のおひつじ座の星回りは、自分という大地にひとつの「モノリス」が立っていくよう。あるいは、呼応していくべき新たな呼びかけを、わが身で受け止めていくような星回り。
映画『2001年宇宙の旅』に出てきた「モノリス」は、400万年前にアフリカのオルドヴァイ峡谷に出現した長さ4~5メートルの石柱状の謎の物体として知られ、ヒトザルの知的生命への進化を助長する役割を果たしました。
元来は、ラテン語とギリシャ語に由来した「一枚岩」の意味で、ストーンサークルや古神道における磐座(いわくら)信仰などとも関連してくる代物です。
例えば、京都の鞍馬山の奥の院・魔王尊も、650万年前に地球霊王たる魔王尊が降り立ったとされる磐座信仰の聖地ですが、聖別される場所(聖地)とされる場所にはそれなりの理由があります。
それは磐座(一枚岩)だけでなく、そばを流れる川や湧き水、薬草、地質など様々な点と点が繋がりあうことで、『風の谷のナウシカ』に出てくる腐海の底のように、深い深い循環システムを持っているのです。
モノリス=聖なる岩というのは、そうした循環システムを稼働させていくための「意志」の発現のシンボルであり、言わばスイッチのような役割を果たしているのだと言えるかもしれません。
人間、頭で考えたからって何かを始められる訳じゃないんですよね。どこかから「意志」つまり<外部の主語>を持ってきて、そこから行為が始まっていく。
その意味で、今週はそうした「意志」ないし「主語」と自分を改めて接続していくことがテーマとなっていきそうです。
自分を「聖地」と見なすこと
先程、意図的に「聖地」という言葉を使いましたが、そこには「パワースポット」という言葉が含む、物質主義的な眼差しとは異なる風景が開かれているように思います。
そもそも、そこに行けばご利益があるとされる「パワースポット」という言葉の背景には、「量化できるパワーを授受することができる」という思想があり、それは有限の自我を超えたより大いなる調和と一体化していくという「スピリチュアル」の言葉が本来持つ思想ベクトルとは、反対方向をむいたものと言えるでしょう。
したがって、「パワースポット」という視点で聖地を見てしまえば、せっかく聖地の持つ深いエコシステムが稼働せず、逆に窮屈なエゴシステムへと回収されていってしまう訳ですね。
ただ生き残るためにとか、誰かに勝ってやろうとか、そういう眼差しから、より深く広い連環へと眼差しを開いていくこと。これも今週意識していきたいところです。
今週のキーワード
生態知(deep-ecological-wisdom)