おひつじ座
爆弾的メッセージ
腹から始まる
今週のおひつじ座は、「腹を立てる」という言葉のごとし。あるいは、自分の中の言葉にならないような本能的なうねりに、GOサインを出していくような星回り。
多くの宗教において怒りは人間の最もネガティブな感情と捉えられています。
しかしその一方で、アリストテレスなどは
「然るべきことがらについて、然るべきひとびとに対して、そしてまた然るべき仕方において、然るべきときに、然るべき間だけ怒る人は賞賛される」(『ニコマコス倫理学』)
という言い方で怒る人に対して一定の理解を示しました。
とはいえ、たくさんの「然るべき」を頭の中ですべて成立させるのでなければと気張るや否や、怒りが興ざめして、どこかへ消えてしまいそうな話ではあります。
というより、「怒る」という行為は、果たしていつもそんなふうに複雑に張りめぐらされた文脈の正しさを気にしながら開始させなければいけないものなのでしょうか?
今週のおひつじ座は、同じ怒るのでも「頭に血がのぼる」より、「腹を立てる」というニュアンスに近い形で自分の中で何かを始めさせていこうとしているように思います。
おひつじ座というのは各季節の始まりにあたる「活動宮」と呼ばれるサインの1つですが、これは意志というものが頭ではなく「腹」に宿るものなのだということに思い至ると腑に落ちるはずです(物事の開始は「腹を決め」ることで実際に行われていく)。
頭で考えた理屈や正誤の判断ではなく、腹で感じた熱を「立てる」、すなわちエネルギー点火装置を‟起動”させ、スイッチをONにしていくことが今週のあなたのテーマと言えるでしょう。
感情の発明
1977年に打ち上げられた2機のボイジャー探査機には、電子的なメッセージを積載されていましたが、そこには当時のアメリカ大統領ジミー・カーターの次のようなメッセージが含まれていました。
「これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、われわれの音・科学・画像・音楽・考え・感じ方を表したものです。私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。」
例えば、人類の送った音を聞いた異星人が、そこで初めて「愛」という感情を知る、といったことも全くありえない話ではないでしょう。逆も然り。
それが音であれ、言葉であれ、なんであれ、全宇宙を覆う暗黒の圧倒的な断絶を乗り越えてあなたの元へ届いたメッセージであり、そうであるからこそ、そこであなたは新しい感情と出会うことができるのです。
もし今週あなたに新たな感情を起こさせる相手が出てきたなら、その時は、自分が死んだ後も誰かに伝えてこの世に残しておきたい自分の思いとは何だろうかと考えてみてください。
今週のキーワード
丹田に溜めた気を放つ