みずがめ座
野性を呼び覚ます
天使と悪魔
今週のみずがめ座は、「狼の声そろふなり雪のくれ」(内藤丈草)という句のごとし。あるいは、内なる天使と悪魔の心が張り合っていくような星回り。
大人というのはどうしたって「凡庸」になってしまう存在ですが、今週のあなたのテーマはいかにそこから逸脱し、子供の心を取り戻していけるかどうかというところにあります。
子供の心には、天使と悪魔という矛盾する2つの者が同居しています。純粋無垢で、いやらしい計算を持ちあわせていないところなどはまさに天使そのものと言っていいでしょう。
しかし同時に、子供の心の中には人間社会が時には否定さえしようとするような、ある種の悪魔的な力が備わっている。それはまるで日没に近い薄闇のなかで、「さあ里にやってくるぞ」と言わんばかりに遠吠えをそろえた狼たちのように、凡庸な大人たちに戦慄を覚えさせるには十分でしょう。
昔の日本社会では、狼と人間との距離はずっと近かった訳ですが、それは悪魔的な心やその残酷さをより身近に感じていたことと無関係ではないでしょう。今週のあなたは、凡庸さを突き破るような野性の気配を辿っていこうとしているのかもしれません。
個性は野性
私たちの心の中には、日頃から個性的な思いつきや感情や意味が到来し、湧きおこっているのですが、いざそれを他者に伝えようとすると、そうした個性をみずから消してしまいがちです。
それぞれ異なる心の持ち主同士でコミュニケーションしていくには、その中で一番ふつうで、あたりさわりないところを言葉にしていくしかないからで、そうして相手に言葉が伝わるのはとても気持ちがいいのです。
そういう意味では、今週のあなたはそうした心地よさとは別のベクトルにある、心の中のざらついた部分や、伝わるかギリギリのところをいかに言葉にしていくことができるかが問われてくるのだとも言えます。
今週のキーワード
凡庸を突き破る