みずがめ座
ゆらぎと芽生え
生命的飛躍
今週のみずがめ座は、『焚きつけて尚広く掃く落葉かな』(西山泊雲)という句のごとし。あるいは、普通は繋がらないはずのことが自然と繋がってしまうような星回り。
広い庭の落葉を掃き集めてつくった落葉の山に火をつけたものの、掃き残してある庭の一方も広く掃いていくという一句。
落葉の山に火をつけるということと、そこから離れた目立たない庭の一角も静かに掃いていくこととは、一見するとバラバラな出来事であり、「だからこそ」とか「ところが」といった強力な接続詞によって結びつくような関係にはありません。
ただ、実際、こういうことというのはよくある事態であるように思います。例えば、仕事を忙しくこなしているときほどプライベートでも新しい趣味を始めてみたり、パーティーなどで賑やかに盛り上がっている時にかぎって、不意にちゃんとガスの元栓を閉じてきたかが妙に気になったり…。なだらかに連続し得ないはずのことを、私たちは得てして何気なく連続させてしまっているのではないでしょうか。
こうした微妙な意識のゆらぎもまた、きっと作者が写生ということに重きを置いて、目に見たことを忠実に句に写したからこそ浮き彫りになってきたのでしょう。
24日にみずがめ座から数えて「ネットワーク」を意味する11番目のいて座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、そうした自分でも予測しえない意識や行動のゆらぎを拒むことなく受け入れていくべし。
感情の芽吹き
今週はこれまで停止していた関係やほとんど忘れかけていた感情が突然動き出したり、みるみる間に種子から芽を伸ばしていくように進展していくことがあるかも知れません。そして、こうしたプロセスは少なからず人間関係にも影響してくるはず。
というのも、生命の本質はまさに「ゆらぎ」にあり、鞘におさまった剣のような完璧な調和というのは長くは続かず、必ずどこかでズレていくものだから。そしてこれこそが“芽生え”における決定的なプロセスであり、種子を突き破って芽が生え、土壌をつらぬき、外なる光へと達したとき、生命のダイナミックな展開が始まっていくのです。
予定調和な関わりのうちにおさまるばかりでなく、時には人間関係においてそうした“芽生え”を追求することも、魂の健康にとっては必要でしょう。
その意味で今週のみずがめ座は、もっと自分はわがままになってもいいのだと、自分に語りかけてあげるくらいでちょうどいいのかも知れません。
みずがめ座の今週のキーワード
1/fゆらぎ