みずがめ座
師を動かす
準備をととのえる
今週のみずがめ座は、神懸かり的なパワーを発揮しありえないものを動かしてしまうという、少年ジャンプの鉄板ネタのごとし。適切な訓練や指導を通して、ふだんなら考えられないような動きを引き出していくような星回り。
『ドラゴンボール』で亀仙人のもとで修行していた若き日の孫悟空には、「余計なこと」をしているうちはどうにもならなかった巨岩を、いい意味で力みやこわばりがなくなった頃に、一息で動かしてしてしまうという場面が出てきます。
いわゆる「眠っていた力が引き出された」瞬間で、文字通りほとんどの場合この力は眠ったままの状態にあり、準備が整うと自然に引き起こされるのですが、先のいずれの例においても熟練の「師匠」の存在が大きいことに注目してください。
師は現に生きている実在の人間であっても、古典のような書物であっても、あるいは形式化習慣化された何らかの思想や歴史でも構いません。
ただ、神懸かり的なパワーが引き出されるために必要な準備というのは、伝統や先達ぬきにはなかなか適切な形で整わないようになっているのだということは、今週よくよく心に留めておくべきでしょう。
騙される覚悟
どんな道であっても、自分の師を見つけることほど簡単なようで難しいことはないように思いますが、それについては昔から、平凡なように見える相手ほど、じつは怖い存在である、といった話が仏典や聖典などにも必ず出てくることとも関連しているかもしれません。
それは例に漏れず師の本質である「欺く存在」を見事なまでに体現しており、それぞれの仕方で弟子を欺いています。何もわかっていないようで、何もかもわかっている。あるいは、何もかもお見通しだとこっちが勝手に思っていると、じつは何にも見ていなかったり。
それで富安風生は「何もかも知つてをるなり竈猫」という句を詠んだわけです。そういう意味では、師とは本来、この人になら騙されてもいいと思える相手のことなのかもしれません。そんな相手が対象が、あなたにはいますか?
今週のキーワード
弟子に準備ができれば、師は現れる