みずがめ座
みずからを戒める
我に返るとき
今週は、「先人は必死に春を惜しみけり」と詠んだ相生垣瓜人の胸の内のごとし。すなわち、頭にのぼっていた気がスッと下へさがって、鎮まっていくような星回り。
ひとつの季節の終わりを感じたとき、人は我に返ることができますが、それはあくまで自然に湧き出てくるようになされなければなりません。
ところが、へたに俳句などをやっていると、季節や季語を必死になって追いかけまわし、 頭をかかえて、文字の中の季語が先か、季節が先なのかさえも分からなくなっていることに、当人だけが気付かないなんて状況に陥ることがある。
作者はそんな自分のあり様にハッと気付き、すかさず突き放しつつ、古い時代のインテリたちに重ねたのでしょう。
今週は、物事のより大きなパターンやサイクルにおいて、自らの運命を理解していくことがテーマとなっていきそうです。
エゴの置き方
俳句のよしあしなんて、門外漢からすればさぞかしどうでもいいことでしょう。
ただ、人として好感を持てるか、あるいは発された音のつらなりが心地いいか、心がくすぐられるかどうか、ということは、ひとりの読み手として大事になってくるのではとも思います。
冒頭の句であれば、「先人も」としなかったのは作者の人柄でしょう。つまり、自分というものを前面に出さず、奥に引っ込めつつも、句にしてそれを残しておく。
それはただ先人の滑稽さに自分を重ねてこれ見よがしに反省してみせるよりも、より一層自分に対する戒めの強さを感じさせます。そんな作者のあり様にこそ、今週は重なるところが出てくるかもしれません。
今週のキーワード
書き手と読み手