みずがめ座
あえて放っておく
日本の三年寝太郎
今週のみずがめ座は、昔話の「三年寝太郎」のごとし。すなわち、例外性への憧れを改めて発動させていくような星回り。
昔話を忘れがたいものにしている要素の一つとして、「例外性への憧れ」というものがあります。ふだんは食っちゃ寝て、食っちゃ寝てを繰り返すだけの男が、何を思ったか不意に起き出しては他の人には決して真似できない活躍をして、いい嫁さんをもらって幸せになる。悪い意味で普通ではなかった人が、良い意味で普通ではない結末を迎えるというパターンです。
どうしてそういうことになったのか、大抵の場合は本人もよく分かってない。というより、初めからよく分からない動機付けをよく分からないままに放っておくことができたからこそ、それが熟成発酵をへて結果に結びついたというだけなのだとも考えられます。
つまり、例外的なパターンを実現させ得たのは「放っておく力」に他ならず、それこそが例外性への憧れの実体に他ならない。逆に言えば、大抵の人はよく分からないままの動機を、そのまま放ってただじっとしていることなどできない訳です。
5月1日にみずがめ座から数えて「深い動機付け」を意味する4番目のおうし座で、水星(自覚)が天王星(逸脱と例外)と重なっていく今週のあなたもまた、自分の中に周囲とは異なる動機付けが存在していることに気付いたり、それをあえて放っておく選択を下したりといったことが起こってくるかも知れません。
インドのガンダルヴァ
あるいは既存の社会秩序に対抗するとき、人類はむかしから「結社」を作ってきました。たとえば、インドのガンダルヴァたちは、人間の胴体に馬の頭を持つ存在として既に古代に作られた『リグ・ヴェーダ』にも描かれていますが、単に神話に登場する神とも鬼神ともつかない超自然的存在の集団というだけでなく、彼等らはイニシエーションを通過して加わった実在の若者たちでもありました。
ガンダルヴァたちは正統な秩序の担い手である聖職者バラモンとはつくづく対極的な存在であった訳ですが、興味深いのは、必ずしも反社会的であるとして社会から敵視された訳ではなかったという点。つまり、社会の主流にあえて対抗する役割を担ってくれる人たちのおかげで、社会は生き生きとしてくるということを、みなどこかで実感しつつ、放っておいたんですね。
今週はそんなガンダルヴァのように、常識とは一線を画した自分なりの独自の慣習や生活について改めて考え直していくにはちょうどいいタイミングとなっていくでしょう。
今週のキーワード
反社会性の放置