みずがめ座
孔をあけていくこと
聖い心持ち
今週のみずがめ座は、キッチンのシンクを片づけ、丁寧に磨いていくうちに、排水口が「なにとはなしに聖いこころもちがする」ものが往来する孔場へと変わっていくような星回り。すなわち、慣れ親しんだはずの日常世界の中で聖地感覚を磨いていくこと。
宮沢賢治の『春と修羅』に収められている「小岩井農場」という詩には、そこに行くと「なにとはなしに聖いこころもちがする」がするので、
「凍えさうになりながらいつまでもいつまでも/いつたり来たりして」
しまうという一節が出てきます。
どうしても立ち去りがたく、いつまでもそこにいたいと思わせられる場所というのは、他の場所といったいどのように異なるのか?
もとより、空間というのは均一に広がっているのではなく、歪みや偏りがあり、それが落ち着きや雰囲気やある種の臭いを与え、中には「こころもち」を「聖い」方向へとシフトさせる。
そして、私たちをそういう方向へと誘導し、転換する特有の感覚や想像力の在り様のことを「聖地感覚」(鎌田東二)と呼んだりもする訳です。
今週はごちゃごちゃしてきてしまった日常を整理したり、不要なものを消していく中で、改めて日常における聖地感覚を取り戻していくことがテーマとなっていくでしょう。
祭具と原始
7万5000年前、ネアンデルタール人たちは、洞窟の中に熊の頭蓋骨をおいて宗教的祭儀をしていたと言われています。おそらく熊はあらゆる動物の中でも最古の、神聖な動物だったのです。
現代に伝わっている占いなど象徴の世界でも、熊は力強く恐ろしい存在であると同時に母性的な保護者としての面もあり、後者の性質ゆえに独占欲が強くとても嫉妬深いともされています。
今週のあなたは、熊の霊としか言えないようなものに半分同化したシャーマンのように振る舞うことになるかもしれませんし、あるいは単にそういう夢を見たり、カード占いやテレビや雑誌、部屋のぬいぐるみなどで一瞬熊に関連したイメージが脳裏をよぎるだけかもしれません。
いずれにせよ、なにかしら強力なパワーと付き合っていくことになるでしょう。
今週のキーワード
聖地感覚