みずがめ座
予感の解放
せめぎ合う心
今週のみずがめ座は、「火焔土器よりつぎつぎと揚羽かな」(堀本裕樹)という句のごとし。あるいは、頭の中にあったものがひとり歩きして現実へ飛び出してくるような星回り。
縄文時代の火焔土器の中から、おそらくは黒揚羽であろう揚羽蝶がつぎつぎと飛び出してくる。もちろんこれは実景ではなく幻想を詠んだものですが、決して明るい光景ではありません。
むしろ、どこか拭いがたき死の影を予感させる光景であり、「つぎつぎと」という表現の奥には累々と積み重なった不吉な現実が待ち構えているように感じられてきます。そしてこれは、どこか今のみずがめ座の人たちが抱く未来像とも相通じているのではないでしょうか。
しかし、そういうものをすべて含んだ上で縄文土器はそこに在り、縄文の人びとは浄化と再生への願いをそこに託したはず。
その意味で、不安と希望とがじりじりとせめぎ合っているかのような構図を呈する掲句ですが、下弦の月から新月へと光が減じていく今週はできるだけ自分ひとりだけで悩まず、蝶のように言葉を放って不安に侵されないようにしていきたいところ。
パンドラの箱
とんとん拍子に話が進みすぎている時に限って、なんだか嫌な予感が脳裏をよぎる。授業の予習をして来ていない時に限って、教室で先生に当てられる。
こういった現象を人は「虫の知らせ」と言ったり、「マーフィーの法則」と呼んだりもしますが、いずれにせよ失敗する時というのは、そこに失敗するだけの理由や必然性が必ずあるもの。そして、それらの中心にあるものはいつだって「恐れ」です。
あなたがいま一番恐れていることは、何でしょうか?
これまで心のどこかで引っかかっていながらも、見ないふり、気付かないふりをしてきたことはないでしょうか?
今週はそんな「パンドラの箱」が何かの拍子で開いてしまうようなことも、十分にあり得るでしょう。しかしそれもまた、自然な流れであり、必要なプロセスなのかもしれません。
今週のキーワード
縄文人の健康なエロス