みずがめ座
たましいの基礎工事
可能性の家
今週のみずがめ座は、「可能性の家」(エミリ・ディキンスン)のごとし。あるいは、自分の価値を構築していく上での基礎ないし、その中心にあるものについて見直していくような星回り。
3月6日(水)に天王星がおうし座へ入り、本格的に約7年間のおうし座天王星期に突入していく今週は、みずがめ座のあなたにとって自分がどのような可能性に住んでいるのかということが見えてきやすいタイミングと言えます。
例えば、生前1冊の詩集も刊行することなくまったく無名のまま亡くなったにも関わらず、今では19世紀世界文学史上の天才詩人として世界中で評価されているエミリ・ディキンスンは、次のような詩でみずからの「仕事」について触れていました。
「可能性の家に暮らしています
散文よりも すてきな家です
窓が多く
入口も魅力的よ各部屋は 杉の木立
人目は避けられるし
朽ちない天井は
天空の丸屋根訪れるのは このうえなく美しきものたち
そして 仕事は―小さい腕を
精いっぱい伸ばして
摘み集めていくの 楽園を」
(内藤里永子訳)
あなたは今、どんな可能性を摘み集め、いかなる楽園へと手を伸ばしているのでしょうか。今週は、みずからが魅了されている価値について改めて再確認していくことになりそうです。
融通無碍の家
仏教では“異なった別のものが1つに解け合っていながら何ら障害もないこと”を「融通」と言います。また、“何の妨げもなく他のものを拒否しないこと”を「無碍」というらしく、対語に「四角四面」が当てられています。
矛盾の中にありながら、その状態を否定しないでいること。というのが、今週のみずがめ座にとって、とても大事なテーマなのです。なぜかって?
そういう状態が、人間にとって1番サインや予兆、すなわち「可能性」を「摘み集め」ていくことができるから。
あなたは今、まさにこれからの自分の行先を占っているのだと思います。
四角四面に物事を割り切ってそこに閉じこもるのではなく、窓を開けて、けれど目立たず、しばし融通無碍な時間を楽しむつもりで今週は過ごしていきましょう。
今週のキーワード
『わたしは名前がない。あなたはだれ?』エミリ・ディキンスン、内藤里永子訳