みずがめ座
灯台もと照らす
光を知らない私を知ること
今週のみずがめ座は、「心臓は光を知らず雪解川」(山口優夢)という句のごとし。あるいは、これまで孤独に機能し続け、働いてきた自らの価値ある部分に光を当てていくような星回り。
心臓という生命を維持する根源とも言える器官が胸の奥にあることは誰でも知っていることですが、その心臓が「光を知らない」のだという表現にびっくりさせられた人は多いのではないでしょうか。
占星術でも人体という小宇宙における心臓は、天なる大宇宙における太陽と対応しており、全身の隅々にまで力強く酸素を送るその姿にむしろ光輝くようなイメージを抱いてきた人がほとんどなはず。
とはいえ、言われてみれば確かに心臓は密室の暗がりで光を知らず、ほとんど顧みられることもなく、孤独に働き続けている訳で、まさに「灯台もと暗し」とはこのことですね。
同様に、今週のあなたもまたこれまでタフに自分を支えてくれてきた資質や才能、あるいは自分自身の意外な価値といったものに改めて気が付いていくことになるかもしれません。
春が近づき、山の積雪が溶け始めた「雪解川(ゆきげがわ)」のように、それはどこかほっとする解放感と、氾濫のリスクにつながる緊張感の両方をあなたに与えてくれるでしょう。
スイッチを入れる
旧約聖書の『創世記』の冒頭には「光あれ(Let there be light)」と神が言った、というくだりが出てきます。
この一言は、原初の渾然一体を揺さぶり、その根本からかき乱してしまう危険分子であったがゆえに、放たれた一言に対する生々しい反応をさそいだすことに成功し、それに続く新たな世界に活力を与えていく大きな原動力となっていきました。
ことほどさように、新たな現実を自分の手で切り開いていくためには、あなたが考えうる限りの切実さで最初の一言を発していかなければなりません。
技巧的に稚拙であったとしても、そこに自分自身の根底で感じていること、自分にとってもっとも大切なものへの思いを置いていくことができたとき、あたかもその一言があなたを照らす照明のスイッチを入れるように、自分の見え方が変わってくるはず。
今週は、ひとつそんなつもりで隠れた自分の価値を照らしだしていきたいところです。
今週のキーワード
雪解川の解放と緊張