みずがめ座
生きて在る自分を見つめて
死の予行演習
今週のおひつじ座は「黄の青の赤の雨傘誰から死ぬ」(林田紀音夫)という句のごとし。あるいは、移りゆく時代を、死者の視点から見据えていくような星回り。
もし死者のまなざしと同期することがあるとすれば、ちょうど掲句のように見えてくるのだろうか。
作者は死を意識した作品が多いことから、生前から「生きている夭逝俳人」と呼ばれていたが、掲句などはまさに日常の隙間に開かれた無への回路を戦慄的に捉えた名句と言える。
しかし一方で、自らをを消したい、忘れてほしいという心の裏側には、忘れないでいてほしいという叫びが隠れているように思えてならない。
仮にそうであったとしたならば、あなたなら誰に、あるいはどんな存在に覚えておいてもらいたいのか。あるいは、その相手に伝えたい、遺したい思いはどんなものなのか。
すなわち、あなたがいずれこの世界にとって何者として死んでいきたいのかということと、さそり座で新月を迎えていく今週、改めて向かい合っていくといいだろう。
古地図の加筆修正
今みずがめ座のあなたは、これまで見えていなかった景色が徐々に開けつつあり、それにつれて自分が広大な海の中の、どこの地点にいて、どんな役割を担っているのかを早急に認識しなおす必要に迫られてきているのだと言える。
と、このように書いている私=筆者も、あたかもあなたの運勢をリアルに俯瞰しているかのように思われるかもしれないが、実際には過去の事例や記録の積み重ねを元に、事態を推測して書いている。
つまり、この占いはあくまでアバウトな事態の予測であり、いわば過去に作られた海図のリプリント版に過ぎない訳で、あなたが実際に生きる現実の把握は、最後は自分で試されなければならない。
今週はまるで上空から自分を見つめるように、あなたがいま足を突っ込んでいる共同体ないし歴史が有する空間的・時間的射程において、自らを位置づけ直し、古地図を自らの手で書き換えていってほしい。
今週のキーワード
自分のなかに無への回路を持つこと