みずがめ座
こころ動くとき
旅の仕度
今週のみずがめ座は、旅から旅へもどる旅人のごとし。あるいは、きちんとした自覚に基づいて、安定や安寧から離脱する決意をしていくような星回り。
ひとりの人間の中には様々な人間が潜んでいて、そこには理知的なものを好む近代人や縄文大好きな原始人だけでなく、時おりやって来てはまたどこかへ去っていく永劫とか、生命の神秘という名の旅人も入り混じっているものです。
それは、普段どこへも旅など行かない人間にとっても然り。女とか男とか、理性や本能という言葉では決して割り切れない謎かけのようなもの。
ひとたび旅人がやって来ると、自分のいる世界がフェイクのように感じられたり、説明のつかない衝動に突き動かされ、どこかへ消えたくなったりと、これまでの安定や安寧が壊れてしまうという事態が起きていきます。
今週はもしかしたらそんな事態があなたにも起きてくるかもしれません。
もちろん、それはほんのささいな揺らぎに過ぎない可能性は高いでしょう。
けれど確かに言えるのは、理由なき不可解な行動や選択というものは誰のどんな人生にも起こり得るということです。
いつその時がやって来てもいいように、そろそろ準備を始めてみてはいかがでしょうか。
夢に濡れる
西脇順三郎の「旅人かへらず」という詩に、次のような一節があります。
「旅から旅へもどる
土から土へもどる
この壺をこはせば
永劫のかけらとなる
旅は流れ去る
手を出してくまんとすれば
泡となり夢となる
夢に濡れるこの笠の中に
秋の日のもれる」
平地の日常に生きる常民と、海や山をたえずかけ巡る旅人と。どちらが夢で、どちらが現実なのか。あるいは、それはコインの裏表のように、ときどきひっくり返されるだけで本来ひとつのものなのかもしれませんね。
古来より、作物が収穫される秋は、モノとともにヒトもまた動く季節とされてきました。本格的な秋の訪れとともに、意識のモードも切り替えていくといいでしょう。
今週のキーワード
割り切れない謎かけ