みずがめ座
清貧に生きるとは
日々精いっぱい
今週のみずがめ座は、「月天心貧しき町を通りけり」(与謝蕪村)という句のごとし。あるいは、「清貧」という在り方に、改めて自分を近づけていこうとするような星回り。
「貧しき町」と言われても、あまりピンとこない人もいるかもしれませんが、江戸時代の庶民の暮らしというのは現代人が想像するよりもずっと素朴なものでした。
彼らは日が昇ってから落ちるまで、悪いこともせずにみな懸命に働いていました(だから貧しかったのかも?)。
そうして昼は汗水たらし、夕方を過ぎてやっと休めるというところに、サーっと月が通っていく。そんなさまを掲句は詠んでいる訳です。
なお「天心」というのは「心のあり様」のことで、はじめは「名月や貧しき道を通りけり」としていたのを、中国の古い詩にある「月天心ニ到ル処」から着想を得て、掲句のように変えたのだそう。
人は、1日1日を精一杯に生きて、その生き方が清貧なものであるほどに、その心は晴れた大空にかかる月のように、もやつくことなく澄んでいく。
おとめ座での新月から始まる今週は、そうして自分の仕事や暮らしへのコミットを深めていくといいでしょう。
月は夜の女王
清貧へ近づいていくと言っても、もし「物足りなさを夜中のコンビニ通いで満たす」みたいな事態と表裏になっているのなら、どうか自分の感覚を大いに疑ってください。
占星術では、人間の直観力と、その人がいちばん深いところで欲するものは、どちらも月が支配し、本質を同じくするものと考えるのですが、それを安易な快楽で打ち消している人というのは、自分で自分の直感力をダメにしているようなもの。
明るさを表す単位にルクスというものがありますが、例えば、人を深い瞑想状態へと導く月の光は1ルクス、ろうそくの明かりは10ルクスなのに対し、夜間に煌々とひかるコンビニの照明はなんと1000ルクスもあります。
家庭の照明は100ルクス程度が理想的とされているのですが、明るすぎる照明は人の直感力を萎えさせるのです。
逆に言えば、月の光やキャンドルの明かりの下で満たされる快楽は、すべからくあなたの直感力を高めてくれる効果があります。
今週は、どうしたら快楽の質をあげられるか、ということもまた頭の隅に置いてみるといいでしょう。
今週のキーワード
夜の営み